2012年のシリコンバレーは空前の「ビットコイン2.0」ブームに沸いていた。ビットコインに魅了された初期の開発者たちが、ビットコインの問題点を解決するための新たなプロジェクトに取り組み始めたのだ。
そんな中、「電力を浪費するマイニング(採掘)を使わない、より効率的で決済に適した暗号資産を作れないか?」という問題提起のもと、3人の開発者が集まって開発したのが「XRPレジャー」だった。インターネットが情報の行き来を自由にしたように、ブロックチェーンの力でお金も瞬時にほぼタダ同然に行き来できるような世界、つまり「Internet of Value(価値のインターネット)」を実現することを目標として開発が進められた。
XRPレジャーはビットコインと同様に、パブリック(非許可性)のブロックチェーンで、誰でも参加し活用できる。XRPレジャーは、送金が高速(3〜4秒)で、低コスト(1取引あたり0.004ドル)、スケーラブル(1秒あたり1500件の決済可能)といった決済に最適な特長をもっている。
マイニングが不要なXRPは、マイニングを使うビットコインが1件あたり1000kWhも電力を消費するのに対して、その12万分の1以下で済む。「価値のインターネット」を体現する暗号資産「XRP」は、すでにさまざまな用途に活用されている。
XRPは一貫して24時間365日、毎秒1500件の取引を処理でき、VISAと同等のスループットをできるレベルまで拡張が可能だ。SOURCE:Ripple
Ripple(リップル)は、金融機関向けの次世代型の国際送金のネットワークを構築・提供しており、その中でXRPが「ブリッジ通貨」として2国間の通貨の交換を円滑化する役割を担っている。これにより、従来は数日かかっていた2国間の資金の動きが、たった数秒で決済完了となる。欧州大手送金会社の「アジモ」やオーストラリアの「ノヴァッティ」が、フィリピンからの出稼ぎ移民の仕送りを送金するのに利用している。