WSJが複数の関係者の話を元に伝えているところによると、マイクロソフトの幹部らは2008年にゲイツの不適切メールに気づき、当時の法務部門トップ、ブラッド・スミスと人事責任者のリサ・ブラメルがゲイツと話し合いの場をもった。ゲイツはその席でメールを送るのをやめる意向を示したという。
ふたりの間に身体的な接触などはなかったことから、取締役会はそれ以上の措置は講じなかった。
マイクロソフトの広報担当者フランク・ショーはWSJの取材に、2007年のメールは相手の気を引こうとするもので「不適切と認められた」が、「露骨に性的」なものではなく、女性社員からの苦情の申し立てもなかったと説明している。
一方、ゲイツの報道担当者を務めるブリジット・アーノルドはWSJに対し、報道されている内容は「事情を直接知らない情報源に基づく虚偽の、繰り返されてきたうわさ」だと事実関係を否定。「利益相反に当たるものもある」と批判した。
女性社員に対するゲイツの不適切行為の疑いが発覚したのはこれが初めてではない。報道によると、2019年にはマイクロソフトの女性エンジニアが、2002年ごろゲイツと性的な関係にあったと書簡で主張。マイクロソフトの取締役会は法律事務所を雇ってこの件を調査し、関係は不適切なものだったと判断した。ゲイツは2020年に同社の取締役から退いている。
また今年6月、ニューヨーク・タイムズは、ゲイツがマイクロソフトの女性社員とビル&メリンダ・ゲイツ財団の女性職員を「誘った」事例2件について報じている。
フォーブスの世界長者番付によると、ゲイツは現在、純資産額推定1327億ドル(約15兆1400億円)で世界4位の富豪。