フォーシーズンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツの8日の発表によると、ゲイツの資産を管理・運用する投資会社カスケード・インベストメントが、サウジアラビアのアルワリード・ビン・タラール王子の持ち分の半分を取得することに同意した。
これによりゲイツ側の出資比率は47.5%から71.25%に上がり、フォーシーズンズの企業価値は100億ドル(約1兆1000億円)となる。取引はすべて現金で行われ、2022年1月に完了する見通し。
ゲイツによるフォーシーズンズ株の追加取得は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)によって打撃を受けた、大都市への高級ビジネス旅行の回復を見込んだものとも言える。フォーシーズンズのホテルは現在、ニューヨーク・マンハッタンのミッドタウンに立地する1軒を含む少なくとも2軒が休業している。
マンハッタンのフォーシーズンズについては、ウェブサイトで「大規模なインフラ・メンテナンス作業中」と説明されているが、業界関係者はフォーブスの取材に対し、フォーシーズンズのような高級ホテルは稼働率がかなり高くなければ赤字に陥ると語っている。
フォーシーズンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツは発表文のなかで、ゲイツの追加出資について「フォーシーズンズの発展で重要な転機」になるとし、カスケード側がフォーシーズンズ側に対して「成長の加速や戦略的目標の拡大のためのリソース」提供を約束していることも強調した。
フォーブスのランキングでゲイツは世界5位の富豪で、資産額は推定1328億ドル(約14兆5800億円)。