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2021.08.22

暗号通貨でアフガニスタンを救う女性起業家が直面する課題

フェレシュテ・フォローグ(Photo by JC Olivera/Getty Images)

「タリバンのテロリストたちが私たちの夢と未来を奪おうとしている」──アフガニスタン西部のヘラート州で、女性のためのプログラミングスクールを運営するフェレシュテ・フォローグ(Feresheteh Forough)は、先日そんなメッセージをグループチャットの仲間から受信した。

彼女が設立したプログラミングスクール「Code to Inspire」は、暗号通貨関連のプログラムや、分散型アプリケーション(dapps)、スマートコントラクトの構築の仕方をアフガニスタンの女性たちに教えている。現地では、20年にわたる戦いの後に米軍が撤退したことで、イスラム主義組織のタリバンが実権を握ることになった。



「米軍がやって来た当時は、何かが変わるかもしれないという期待があった」と、アフガニスタン生まれのフォローグは話す。彼女の父親はムジャヒディーンの幹部で、1979年から始まった紛争ではソビエト軍に命を狙われた。1981年に家族とともにアフガニスタンを離れたフォローグは、イランで幼少期を過ごした。

その後、ベルリン工科大学でコンピュータサイエンスを学び、欧州で暮らした彼女は、父親がアフガニスタンの新政府からヘラートでの任務を命じられたことを受けて、2010年に祖国に戻ってきた。

久しぶりにアフガニスタンに戻った彼女は、ちょっとしたカルチャーショックも感じたという。一家は比較的裕福だったが、水道や電気など、欧米人が当たり前のように利用している基本的なサービスには制限があった。「電気は1日に数時間しか使えず、水は井戸から汲まなければならなかった」と、フォローグは話す。

しかし、人々は未来に希望を抱いており、アメリカからの援助もあった。かつてのタリバン政権下では、低い地位に置かれていたアフガニスタンの女性たちは、新政府の下で初めて自分たちの将来を自力で切り開いていこうとしていた。

フォローグは2012年に、別のNPO団体の仕事のためにニューヨークに向かったが、2015年には再びアフガニスタンに戻り、クラウドファンディングで調達した2万2000ドルの資金をもとに女性のためのプログラミングスクールCode to Inspireを設立した。
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編集=上田裕資

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