小規模店舗の「奈雪Pro」で収益性改善へ
6月にフォーブスアジアの取材に応じた、奈雪の創業者らは、ロボットにイチゴを洗わせたり、チーズのトッピングを準備させたりするような自動化の導入で、人件費を下げるつもりだと語っていた。さらに、「奈雪Pro」という新しい店舗形態も収益性の向上に役立つと話していた。
一般的な奈雪の店舗の広さは180~350平方メートルで、焼きたてのパンやケーキを提供するベーカリーが併設されている。それに対し、Proの店舗は80~200平方メートルで、ベーカリーを持たず、セントラルキッチンで焼いたパンを運んでいる。
Proの1店舗あたりの投資額は平均約19万3000ドルで、一般店の28万6000ドルに比べて30%以上も少ない。今年と来年に予定されている650店舗の新店舗の約70%がPro形式の店舗だ。夫妻は、より多くの顧客に対応しながら低コストで運営できるProの店舗が、同社の収益性を向上させると述べていた。
しかし、同社にはもう1つの課題がある。中国のミルクティー市場の競争は熾烈で、上海のLelechaや深圳のHey Teaなどの新興企業も、伝統的なお茶にチーズや新鮮なフルーツ、ティラミス風味のクリームなどをブレンドして、若い世代の味覚にアピールしている。
上海の調査会社Mintelは、「顧客はさまざまなブランドの間を行き来しており、企業は混雑した市場の中で、いかにして消費者にアピールするかを考える必要がある」と述べている。
奈雪の創業者たちは、より多くの店舗をオープンすることで、ライバルに対抗しようとしている。彼らは、スターバックスが中国の200都市で5100店舗を運営していることを例に挙げ、消費者たちは、便利で見つけやすい場所にある店を求めていると述べた。「中国のいくつかの都市では、私たちの店はまだ2〜3店舗しか無い」と、創業者は話した。