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米NBCユニバーサルは、東京五輪のプライムタイムの視聴者数が前回リオデジャネイロ大会よりも4割超少なかったことを明らかにした。低迷の背景には、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)による関心の低下や、13時間におよぶ日本との時差などのほか、テレビからネットのストリーミング配信へという視聴スタイルの大きな変化もあるようだ。

NBCは2週間あまりにわたって毎晩、プライムタイムに五輪の生中継や録画を放送した。9日の発表によると平均視聴者数は1550万人で、2016年リオ大会の2670万人、2012年ロンドン大会の3110万人、2008年北京大会の2770万人を大幅に下回った。開会式の視聴者数はテレビ放送とストリーミング配信を合わせて約1700万人と、リオ大会より1000万人近くも少なかった。

一方で、東京大会はストリーミングで五輪史上最も広くカバーされ、ソーシャルメディアやNBCのオンラインプラットフォームで延べ60億分近くにのぼるコンテンツが視聴されたという。

モーニング・コンサルトが大会開幕後最初の1週間に実施した調査でも、東京大会の視聴時間は以前の夏季五輪よりも短くなっていると答えた人は全体の48%にのぼっていた。約37%は同じくらいと答え、以前より視聴時間が長くなっている人は15%にとどまった。

今大会はコロナ禍に揺れるなかでの開催となり、それがファンの関心を遠ざけた可能性がある。主催者側は開催を1年延期し、厳しいソーシャルディスタンス(対人距離の確保)ルールを敷き、会場での観戦はほぼ全面的に禁止した。開催によって、不要な公衆衛生上のリスクをもたらしたという批判もあった。

低視聴率には時差の影響もありそうだ。NBCは一部の人気種目はプライムタイムに生中継する一方、半日以上遅れて放送した種目もあり、体操やバスケットボールなどの試合はテレビ放送を待たずストリーミングで視聴した人たちもいた。

このほか、人気選手が不在だったり早々に姿を消したりしたことも響いた可能性がある。活躍が期待されていた米国体操女子のスター、シモーン・バイルスは精神面の不調を理由にほとんどの競技を棄権し、テニス界のスターで日本人の大坂なおみは3回戦で敗れた。米国陸上女子短距離のシャカリ・リチャードソンは代表選考会の薬物検査で大麻の陽性反応が出たことなどから、代表入りを逃した。

もっとも、ストリーミングサービスとの視聴者争いが激しくなるなか、テレビ視聴率が振るわないスポーツ大会は五輪に限らない。昨年はプロバスケットボールのNBAファイナルの視聴率もコロナ禍前に比べ大幅に低迷し、アメリカンフットボールNFLのスーパーボウルの視聴者数は2007年以降で最低を記録。大リーグのワールドシリーズの視聴者数も史上最低だった。

NBCは、東京大会の広告販売はリオ大会を上回り、「収益面では非常に良い」(NBCスポーツのピート・ベバクア会長)ものになりそうだとしている。

編集=江戸伸禎

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