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「プレゼンで凝った表現や詳細な図解などを駆使しているのに、イマイチ相手に伝わらない」「話がつまらない、よくわからないと言われる……」

ビジネスシーンでもプライベートでも「伝え方」について悩む人は少なくない。その一因として、「相手に頭を使わせている可能性がある」と指摘するのは、人気のドキュメンタリーやバラエティ番組を多数制作してきた本橋亜土氏だ。

会話でも、プレゼンでも、大切なのは、“相手を疲れさせず”に情報を伝えることだという。私たちの日常生活にも活用できるそのメソッドについて聞いた。

※本稿は、本橋 亜土著『ありふれた言葉が武器になる 伝え方の法則』(かんき出版)の一部を抜粋・再編集したものです。


「考える行為」で労力を使わせない


相手に情報をしっかりと伝え、さらにしっかりと心に残すためには、「鉄則」があります。それは、

・相手を疲れさせないこと。
・相手に頭を使わせないこと。

たとえば、営業先のお客様や就活の面接官、また、夫や妻にいろいろな話・交渉ごとをする場面でも、「話を聞く側」というのは、私たち(話す側)が思っているほど熱量が高くありません。

残念ながら、相手は、「あなたが思っている以上にあなたの話を聞きたいと思っていない」、これが現実です。

逆に考えれば、「聞く気のない相手を聞く気にさせる」ことこそが、伝え方の真髄であると言えます。

当たり前ですが、相手なしにコミュニケーションは成立しません。

同じ話でも、相手の機嫌や体調、そのときの忙しさなど、コンディションの良し悪しで受ける印象が大きく変わってきます。

つまり、情報の伝わり方は相手のコンディションに左右されるということです。もちろん、相手のコンディションの良いタイミングを見計らってプレゼンに行くなど不可能ですから、「こちらから良いコンディションにさせてあげる」ことが最良の道ということになります。

その際、けっして相手に感じさせてはいけないのが、「要するに何が言いたいの?」という疑問感情です。

疑問に思う、つまり「考える行為」は非常に労力を使います。そこに労力を使わせてしまった時点でこちらの負け。そもそも聞きたいと思っていないわけですから、そこに余計な労力をかけてくれる人なんていません。余計なことを考えさせることで集中力が途切れ、さらに話を聞く気がなくなってしまうのです。

これは非常にもったいない。どうせなら、相手を「前のめり」にさせた後、こちらの話の核心に迫る「ここぞ!」というところで労力を使わせたいものです。

だからこそ、相手を疲れさせないこと、相手に頭を使わせないことが必要になってくるのです。

『ありふれた言葉が武器になる 伝え方の法則』(かんき出版)

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