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2021.08.10 18:00

【8月第1週資金調達まとめ】月面資源開発のispace、総額50億7000万円調達

国内の成長産業及びスタートアップに関する幅広い情報を集約・整理し、検索可能にした情報プラットフォーム「STARTUP DB」では毎週、資金調達のサマリーを発表している。この記事では、8月1週目の“注目のトピック”として選ばれた5件の資金調達について紹介する。

ispace


調達額:50億7000万円
調達先:インキュベイトファンド(リード) / HiJoJo Partners / SBIインベストメント / あいざわアセットマネジメント / アイザワ・インベストメンツ / イノベーション・エンジン / 佐護勝紀
備考:ニュースに記載の合計金額より推計 / 2021-07-28の出資元とまとめて記載 / シリーズC / あいざわアセットマネジメントはAriake Secondary Fund II LPを通じて出資

月面探査プログラム「HAKUTO-R」に取り組み、民間による月面資源開発の実現を目指すスタートアップ。

「HAKUTO-R」は、日本初の民間開発の月着陸船による月面探査プログラム。

同社は独自のランダーとローバーを開発するとともに、2022年3月に月面着陸、2023年には月面探査ミッションを予定している。打ち上げにはSpaceXのFalcon 9を使用する予定だ。

“人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ”をビジョンに掲げ、現在は日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動している。

2021年6月には、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行、日本政策金融公庫からの融資により、総額19億5000万円の資金調達を実施。

また、同年8月には、インキュベイトファンドをリードインベスターとした、全7者を引受先とする第三者割当増資による約50億7000万円の資金調達を発表。累計資金調達金額は約213億円となった。

今回の調達資金は、2023年に打ち上げが計画されているミッション2 、2024年打ち上げ予定のミッション3に用いられるランダーのサイズアップに充てられる予定だ。

C4U


調達額:9億3000万円
調達先:DCIパートナーズ(リード) / みずほキャピタル / エムスリー / タウンズ / ニッセイ・キャピタル / 大日本住友製薬
備考:ニュースに記載の合計金額より推計 / シリーズA / 2021-06-30の引受先と合わせて記載 / DCIパートナーズは大和日台バイオベンチャー2号投資事業有限責任組合を通じて出資

新規ゲノム編集技術の研究開発を行っている大阪大学発のスタートアップ。

同社はCRISPR/Cas3系ゲノム編集方法ツールに基づきゲノム編集の最新の学術情報と、最先端の技術を用いて国産オリジナルのゲノム編集の基盤技術開発に取り組んでいる。

ゲノム編集技術とはDNA切断酵素と人工的にデザインしたRNAなどを細胞に導入し、ゲノムの局所を選択的に切断、改変する技術である。

また新しいゲノム編集技術であるCRISPR-Cas3とは既存のCRISPR-Cas9同様に二本鎖DNAを切断するが、crRNA(ガイド)認識配列が長い(27塩基のガイド配列)ことから、特異性が高く、オフターゲット変異(狙った部分以外の変異)が少ない、より安全なゲノム編集ツールであり、大きな欠失を起こすことも可能なため、遺伝子の改変に加えて機能を失わせることも得意としている。

2021年8月、DCIパートナーズをリード投資家として、エムスリーやニッセイ・キャピタル、みずほキャピタル、大日本住友製薬、タウンズを引受先とするシリーズAラウンドにて9億3000万円の調達を実施。

今回の調達を通して、遺伝性疾患に対する新規の遺伝子治療法等を開発すること及びCRISPR-Cas3技術のプラットフォーム展開を目指し、事業を加速する方針だ。
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文=STARTUP DB

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