・自動車産業
自動車技術、スマートモビリティ、電気自動車の最前線に位置しており、毎年65万台近くの自動車を生産し、地域経済生産高は年間27億ドルを超える。Hondaの研究開発(R&D)本部や自動車工場など、製造業を営む国際的な企業が多く存在し、自動車サプライヤーネットワークも充実している。また、 U.S. 33 Smart Mobility Corridor, the OSU Center for Automotive Research, Connected Marysville, Connected Dublin, DriveOhioなどのスマートモビリティの実現に向けたPoCに相応しい場所があり、オープンイノベーションを起こすための優れた環境がある。
2. 優れた人材教育と人材プール
当地域には、50以上の大学キャンパスがあり、学生数は13万4000人を超え、米国内でも最も高い学生集中度を誇る。また、学生の半数近くが在籍するオハイオ州立大学は、全米最大規模の総合大学であり、約170もの専攻分野で質の高い教育を提供。約100カ国から留学生を受け入れており、大学図書館、学術研究センター、芸術・文化センター、メディカルセンターなど70を超える付属施設がある。
まちの中心部に広がるサイオートマイルと呼ばれるエリア。ダウンタウンと都市部を結ぶ広大なエリアには多数の公園も。 photo by RandallL.Schieber
また、コロンバスでの生活費は米国平均よりも10%低く、Livability誌が発表した「2021年アメリカのリモート対応都市トップ10」で1位、CNBCが発表した「The 15 Best U.S. Cities to Work From Home(在宅勤務に最適なアメリカの都市15)」では3位にランクイン。このような低い生活費で高い生活の質が確保できる点もメリットとなり、米国内でミレニアル世代が集中している地域トップ10に入っている。
上のような理由から、シリコンバレー以外での成長を目指すハイテク企業にとっては、six-figure salary(約1100万円)以上の給料で、物価の高い都市では不可能なトップレベルの管理職や才能あるソフトウェアエンジニアを惹きつけることができるコロンバス地域のビジネスコストの低さも魅力的だ。
3. コロンバス地域のユニコーン企業3社
2017年にオハイオ州初のユニコーンを輩出して以来、コロンバス地域では過去4年間で3社のスタートアップがユニコーンになった。
2017年にMcKesson Corporationに買収されてオハイオ州初のユニコーンとなったCoverMyMedsは、Glassdoorの「Best Place to Work」やFORTUNEの「Best Company to Work For」に認定されている急成長中のヘルスケアテクノロジー企業。患者が必要な医薬品の入手に必要な事前認証プロセスの自動化によって、治療までの時間短縮や処方箋の放棄を減らしている。今年、コロンバスに本社ビルを建設予定だ。
アプリで自動車保険を提供する Root Insurance は、2020年にナスダックに上場し、オハイオ州史上最大のIPO(株式公開)となる評価額67億ドルを達成。モバイルだけで運営される全米初のライセンス保険会社で、モバイル技術とデータサイエンスを駆使し、使いやすいアプリを通じて、優良ドライバーに個別の運転行動に基づいて決定された適正料金で保険の提供をしている。