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チャーミングケアで広げる家族の視点

Taiyou Nomachi / Getty Images

「働き方改革」。よく耳にするこの言葉は、厚労省によると、働く人々が「個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で『選択』できるようにするための改革」と定義されている。

しかし、私の周りにいる、病気や障害のある子どもを育てる母親たちには、その「改革」は届いていないように感じられる。もっと言うならば、そもそもこの改革の登場人物としてキャスティングさえされていない気がする。

今回は、当事者になってみないとなかなか見えてこない、病気や障害のある子どもを育てる母親たちの「働き方改革」の実例を紹介したい。

病気や障害のある子どもの母親と就労問題


3人兄弟の長男が小児白血病に罹患したことをきっかけに、2018年、私は病気や障害のある子どもの外見ケアやメンタルケア、家族のケアにスポットを当て、医療の隙間にあるトータルケアを啓蒙する「チャーミングケア」という活動を開始した。

さらに2020年には、医療的ケアに関連するグッズなどを集めた物販サイトを「チャーミングケアモール」として事業化した。このサービスを立ち上げた当初は、どんなケア用品が必要かわからず、また疾患に対する知識量も十分でなかったため、物品のカテゴリー分けや困りごとの分類、さらにはマーケティングの面で非常に苦労した。

そこで、病気や障害のある子どもをケアしているお母さんたちに「チャーミングケアアンバサダー」として有償で運営の手伝いをしてもらうようになった。彼女たちと何度かオンラインでのミーティングを行なった際に、「働き方」について出てきた意見は次のようなものだった。

・子どものケアで精一杯で、働くということが現実的ではない
・子どものこともそうだが、自分自身の将来についても不安になる時がある
・いまから働くといっても、一体自分に何ができるのかわからないし、自信がない
・働くことを諦めざるを得ない状況に疑問を感じて働き続けてきたけれど、健常な子どもを育てている人と比べると、苦労の差が明確にあるように感じる
・こんなに苦労や工夫をしなければ働き続けられないのかと、時折しんどくなる

置かれた環境や家庭の事情によるのかもしれないが、このヒアリングを通してさまざまな視点からの課題が見えてきた。

子どもの障害をきっかけにインクルーシブ学童施設を設立


病気や障害のある子どもを育てる母親の就労支援をしている団体の話を聞いてさらに課題を精査しようと、横須賀市に所在を置く一般社団法人「sukasukaippo(すかすかいっぽ)」の代表五本木愛さんに話を聞いた。

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6人のお子さんに加えて、40代でお孫さんもいる五本木さんは、課題解決のために思い描いたことを着実に実現化している。その素晴らしい取り組みについて、こう語ってくれた。

文=石嶋瑞穂

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