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左から、共同創業者のタヴェット・ヒンリクスとクリスト・カーマン (c) Wise

国際送金のフィンテック企業「Wise(ワイズ)」が7月7日、ロンドン証券取引所にダイレクトリスティングで上場し、2人の創業者らが、欧州で最も新しいテクノロジー系のビリオネアとなった。

Wiseの株式の約18.8%を保有するCEOのクリスト・カーマンの保有資産は20億ドル(約2200億円)に達した。また、共同創業者兼会長で10.9%の株式を持つタヴェット・ヒンリクスの保有資産も約11億ドルに達している。

2011年に設立され、以前はTransferwiseとして知られた同社は、現在56種類の通貨に対応し、低コストの海外送金を可能にしている。創業当時にロンドンで働いていたケルマンとヒンリクスは、母国のエストニアへの送金手数料の高さに辟易し、同社を立ち上げた。

現在、Wiseは毎月60億ドル相当の海外送金を処理し、1000万人の顧客の送金手数料を年間約15億ドルも削減しているという。例えば1000ポンドを米国に送金する場合、ウェスタンユニオン銀行よりもWiseを利用したほうが、手数料が18ドル安くなるという。

時価総額が110億ドルに達したWiseは、ロンドン証券取引所に上場するテクノロジー企業の中で、最大の時価総額を誇っている。同社の売上は、2019年3月までの1年間で1億7790万ポンドだったが、2021年3月までの1年間では4億2100万ポンドと、わずか2年間で136%の増収を達成している。2020年7月の資金調達で、Wiseの評価額は50億ドルに達していた。

Wiseは、ロンドンで暮らす2人のエストニア人の節約術から生まれた企業だ。その当時、ケルマンはデロイトで、ヒンリクスはスカイプで働いていたが、二人は母国のエストニアに送金する場合、まずお互いの英国の銀行口座にポンドを送金し合い、それと同じ額のユーロを、エストニアの銀行口座で送りあった。つまり、銀行に手数料を支払って海外送金するのではなく、互いの通貨のニーズをマッチングさせたのだ。

このアイデアは、他の人々の間にも「スカイプでつながった両替フォーラム」として広まり、2011年にTransferWiseと呼ばれることになった。その後2人は仕事を辞めて1年間は自己資金で運営した後、130万ドルのシード資金を獲得した。

その後、ピーター・ティールが同社の600万ドルのシリーズCを主導し、2014年にはリチャード・ブランソンから2600万ドルを調達した。

Wiseは現在、送金サービスだけでなく、複数通貨対応の銀行口座や海外での事業拡大を目指す企業向けのビジネス口座を提供している。また、既存の銀行の領域にも踏み込んでおり、160万枚のデビットカードを発行している。

編集=上田裕資

エストニア

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