単独で繁栄できる組織はありません。これこそ、民間企業、雇用主、各国政府、非営利団体が連携し、持続的な影響力を持つパートナーシップやソリューションを促進し、セクターを越えて協力しなければならない理由です。ビッグテックを筆頭とする官民両セクターからの投資は、スタートアップや小規模企業、そこで働く人たちにチャンスを生み出します。これには、テクノロジーの発展によって情報技術者を支援するだけでなく、コミュニケーションの改善と生産性向上ツールを用いて最前線の労働者の能力を高め、これらの重要なグループためのインクルージョンやデジタル体験の向上を確実にすることも含まれます。
力を合わせることで「テクノロジー活用の強度」の成果を手にすることができます。テクノロジー活用の強度とは、信頼できる最高クラスの技術の採用と、使い手のスキルや能力の向上を組み合わせることです。このアプローチをうまく実現することがきれば、コラボレーションによって、急速な復興と包摂的な成長、雇用、再創造された未来を後押しする製品とサービスが生まれるでしょう。
デジタルスキル育成が鍵に
デジタル時代は新世代のテクノロジーを生み出していますが、それを発明し、その技術が有する可能性を独自の方法で活用するのは、多くの場合、スタートアップです。ところが、スタートアップや中小企業には、適切なデジタルスキルを身につけた人材を育成するために必要な規模も資金がないことが通例です。スタートアップと中小企業を中心に据えて経済をリセットするのであれば、成長に必要な人材を訓練しなければなりません。デジタルスキルを育成することにより、個人の繁栄とアジアの経済回復を後押しすることができます。
マイクロソフトとリンクトインの「グローバルスキル構想」により、この1年間で249の国と地域において、アジアの約600万人を含む3000万以上の人々がデジタルスキルへアクセスできるように支援を受けました。マイクロソフトは、同構想の次の段階として、2021年には25万社の企業におけるスキルベースの雇用の促進を支援することに力を入れています。世界では今後5年間に、1億4900万ものテクノロジー重視の新たな雇用が生まれると推定されています。求職者がこのチャンスをつかむためには、スキル格差を解消することが絶対に欠かせません。