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2021.07.05 06:30

時流に乗り、米「コーチング」のスタートアップが初の資金調達


「アニタとレイに会ったのは、まだ2人が創業直後で手探りしていたころだ。会った瞬間、私たちは2人が正しいビジネスを手がけていると直感した」と、ホロウェイは振り返る。「公私を問わず、人生の同じステージに立っている人たちが集まることができる場を提供するというアイデアに、大きな魅力を感じた」

コーチングの成果は、参加者が「自分の弱さ」を見せる意欲があるかないかに左右される。そのため、同じ組織で働く同僚や、ライバル企業の従業員が集まれば、利害関係が衝突するのではないかと考える人もいるだろう。とはいえ、ザ・グランドは秘密保持を約束しているため、そういった問題はあり得ないと、ホサイン=チョウドリーとワンは考えている。

「グループ・コーチングに参加した個人は、より率直に胸の内を明かすことができる。なぜなら、互いのために参加するコーチングが、ザ・グランドの掲げる基本理念だからだ」と、ホサイン=チョウドリーは話す。

オハニアンと同様に、アービングなどの専門家も、パンデミックをきっかけに、雇用主側が従業員のワークライフバランスを重視するようになったと述べる。「パンデミックによって激動の時代がもたらされ、警察の暴力や人種間の不平等を巡る認識の拡大で、不安定さがさらに深刻化している。そんななかで人々は、自らの心身の健康をより気にかけるようになった」とアービングは言う。

「自らの限界を見定めたり、価値観を見直したりする流れは続いている。Zoomを中心にした暮らしになったことで、コーチングがますます利用しやすくなっているのは利点と言えるだろう」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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