ブロックチェーンビジネス最前線

NFTの価格は現在非常に高騰しています。その話題性に加え、同じブロックチェーンを利用した暗号資産の価格高騰も影響して、一部ではバブルを懸念されている状況にあります。

今回は、NFTを用いた新しいビジネスの可能性について模索するうえで、重要となるポイントをお伝えしたいと思います。

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NFTの価値は、「利用」と「所有」の2階建て


まず、現在のNFTの価格は、「利用価値」と「所有価値」の2階建てで形成されていると考えられるでしょう。

利用価値には「サービスの人気や利便性を反映するもの」と、「NFT自体の機能性やサービス内での価値を反映するもの」があります。所有価値にも、「コレクション的な収集欲に訴えかけるもの」と、「投機的な価格向上への期待感に訴えかけるもの」があります。

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利用価値と所有価値について「現状」と「理想」を上の図で示してみましたが、バブルを乗り越えNFTの魅力的なユースケースを残すためには、このように「投機的価値」の占める割合を小さくし、利用価値とコレクション的所有価値を高めていく必要があります。

まず図の「サービスの利用価値」を高める方法には大きく2つのアプローチがあります。

第一のアプローチは、シンプルにサービスやゲームのユーザー数や利便性、人気を、一般的に利用されているものと同水準にまで引き上げていくものです。

NFTを用いたゲームの場合なら、そのゲーム自体の面白さや魅力を高めること、NFTや仮想通貨を持っていなくとも遊べるようにすること、そういった基本的なアプローチが必要となります。また、サービス間のコラボレーションなど、従来とは異なる魅力的なユーザー体験を提供することもポイントとなるでしょう。

第二のアプローチは、すでに多くのユーザーを抱えた利用価値の高いプラットフォームやサービスがNFTをサポートしていくというものです。例えば、「pixiv」のような投稿サイトや「Shutterstock」のような素材販売サイト、メルカリのようなC2Cマーケットなど、既存のサイトや事業者がサービス内でNFTを扱えるようになっていくことが理想だと思います。

次にサービスではなく、「NFT自体の利用価値」を高める方法です。

例えば、ゲームの場合には、NFTとして発行された希少性の高いアイテムを他のユーザーに貸し出すことで手数料が得られるモデルや、VR空間内で土地を賃借することで利用料が得られる仕組みなど、新しい使い方を生み出すことです。

コンテンツなどの場合には二次利用や二次流通などの手数料が自動で受け取れるなど、従来のコンテンツ管理手法よりも便利なNFTを設計し、実装していくことなどが考えられます。

また、利用の際にどんな権利が認められているかを明確にすることも不可欠です。販売されたデジタルデータの所有権なのか、二次利用などを認める著作権まで含めるのかといった利用条件を、明確に記載してNFTを発行しなければトラブルが生じるでしょう。

一方、刊行済み雑誌の電子出版権付きNFTを発行した「サウナランド」の事例のように、コミュニティやファンを巻き込んだ新しいコンテンツ販売手法も模索されています。

文=森川夢佑斗 編集=藤本賢慈

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