As Mobile Economist at TUNE, I forecast and analyze trends affecting the mobile ecosystem.

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宇宙関連ではイーロン・マスクの「スペースX」が話題になることが多いが、世界では膨大な数の企業がこの分野でしのぎを削っている。アメリカには現在、宇宙関連の企業が5582社あり、世界2位のイギリスの615社の約10倍に達している。

また、世界全体では1万社を超える企業が存在する。宇宙関連の調査企業スペーステック・アナリティクス社が5月19日に発表したレポート「SpaceTech Industry 2021 Landscape Overview」によると、宇宙関連企業の価値の総額は史上初めて4兆ドル(約436兆円)を突破した。

これらの企業の大半は5つのセクターに分類され、最大の勢力であるナビゲーションとマッピングの企業は2820社、次いでクラウドソリューションが2406社、製造業が1048社となっている。

さらに、宇宙分野では政府の予算がイノベーションを牽引していることが明らかだ。米国の宇宙予算は約410億ドルで、そのうち233億ドルがNASAに集中している。2位の中国は60億ドル弱で、ロシアやフランスに次ぐ日本の予算は約30億ドルとされている。

米国は、他のすべての国の合計を上回る費用を宇宙関連に支出していると、スペーステック社は述べている。

同社のレポートによると、宇宙テクノロジー関連の1万社以上の企業の価値の合計は4兆ドルを上回り、打ち上げ技術の進化により、物資を軌道に送り込むためのコストも大きく低下した。

その結果、市場が拡大し、2030年にはこのセクターの価値の総額は10兆ドルに達する見通しという。その原動力のひとつとされるのが、宇宙旅行だ。

しかし、リチャード・ブランソンの「ヴァージン・ギャラクティック」やジェフ・ベゾスの「ブルーオリジン」のようなプレイヤーが見出しを飾る一方で、実際に大金が動いているのは通信分野だ。

スペースXの「スターリンク」は、現在50万件以上の予約を獲得しており、月額100ドルと仮定すると同社の年間売上は6億ドルに達することになる。

2030年には年間1000基の衛星が打ち上げ


さらに、過疎地でのインターネットの速度低下に悩む人の数を考えると、スペースXが対応可能な市場はその10倍以上に達すると考えられる。

「宇宙テクノロジー分野は、巨大な成長可能性を秘めており、すでに私たちの生活に欠かせない商品やサービスが登場している」と、スペーステック社は述べている。

宇宙分野では、アクセルやライトスピード、ベッセマー・ベンチャー・パートナーズなどのベンチャーキャピタルによる投資が増え続けているが、今後も継続的な投資と成長が期待される分野としては、宇宙医学や推進システムなどが挙げられる。スペーステック社は今後、宇宙関連での買収が相次ぐと考えている。

もうひとつ、注目すべき数字なのが衛星の数だ。2011年から2020年の間に打ち上げられた人工衛星の数は、年間平均で280基だったが、2030年までに年間1000基近くに伸びると予想されている。

編集=上田裕資

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