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リヴィアンCEOのR・J・スカリンジと同社の電動ピックアップトラック、「R1T」

イーロン・マスクCEOが電気自動車(EV)メーカー「テスラ」の経営を引き継いだとき、その未来に対して懐疑的な目が多かった。だが同社は、製品開発やオペレーション、財務の幾度もの難局を乗り越えることで、世界で最も価値が高い自動車会社という評価を受けるようになった。

いま同じ道を歩もうとしている会社がある。EV開発スタートアップの「リヴィアン」だ。同社を率いるR・J・スカリンジは、市場のニーズだけを考えるのではなく、地球の未来や自然環境などを総合的に考えてプロダクトを開発しようとしている。その過程に、「クリエイティビティ」のヒントになりうる要素が詰まっている。従業員に開かれた職場環境づくり、競合や異業種企業とのパートナーシップを通じたシナジーの創出、地元コミュニティとの対話など。

リヴィアンの未来について語るのは時期尚早だろう。だがテスラ同様に成功することがあれば、その秘密の一端はここにあるかもしれない。


冬のある朝、シカゴからクルマで南に数時間のイリノイ州ノーマルでは、気温が氷点下をはるかに下回っていた。EVメーカー「リヴィアン・オートモーティブ」の工場の前にある小さな池にも厚い氷が張り、芝生も霜に覆われている。

電池駆動のトラックやSUVの発売が予定されている今年春に備えて、工場では改修工事が行われており、ほぼ全域が工事中だった。唯一、改修工事が完了している場所は工場全体を見渡せる2階の前方部分。ここは以前の所有者だった三菱自動車が重役の執務室を置いていた場所だ。当時、この階は“スーツ組”以外、立ち入り禁止だった。

それがいまでは、巨大な作業用のオープンスペースになっており、従業員は誰でも入れる。食堂が併設され、床は鏡面仕上げのコンクリートになり、自然光もふんだんに取り入れられている。コンセプトは工業と自然の美の融合で、「オフロードも走れる持続可能なクルマをつくる自動車メーカー」という同社のブランドを反映している。

リヴィアンは09年の創業だが、今年ようやく最初の車両を発売することになっており、カリフォルニア州サンノゼとアーバインにも拠点をもち、そこで技術と電池の開発を行っている。

「清掃、塗装、設備の取り付けが終われば、20年代半ばまでに、年間25万台を生産できるようになります」と、リヴィアンの創業者兼CEO、ロバート・ジョセフ・スカリンジ(38)は語る。

文=チャック・タナート 写真=ジャメル・トッピン 翻訳=木村理恵

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