入管法改正の問題とは 日本の「難民申請者」が直面する現実と生きる道

入管法改正の反対の声があがるなか、入国管理局や収容施設では一体何が起きているのか。


こうした差を数字で見ると、日本で難民認定を待つ彼らの未来にいかに希望がないか、歴然とする。

スケジュール帳に半年先以降は予定を入れないようにする人もいた。難民申請中、半年ごとにやってくる在留資格の更新。「できない約束はしないように、半年以上先のことは考えないように生きている」と20代の青年が言う。

難民として認定してもらいたい。でも、その望みが1%にも満たなかったら?

あなただったら、そこに希望を持ち続け今日を生きられるだろうか。それが、日本で難民申請者として生きる外国人の直面している現実だ。

今回の改正によって入管の裁量や権限がさらに大きくなり、ただでさえ苦しんできた人たちをもっと苦しめる可能性が出てくる。だから多くの人が反対をしている。改正すべきは、これまでの難民認定のやり方を改善し、帰れない理由のある長期にわたる収容者が、日本社会で人間らしく生活できる方法を作り出すことだ。

論点がまとめられている動画をシェアしたい。後半には、顔を出して自分の声で切実な現状を伝える難民申請者たちの記者会見が出てくる。



私たちに何ができるか


1年前、検察庁法が改正されそうになったとき、SNSを中心に世論の盛り上がりで廃案となったことを覚えているだろうか。その後、改正された法案が再提出され、可決に至った。今回の入管法改正の流れも、世論が大きな関心と反対を示すことで、覆る可能性もある。

例えば、議員に直接メッセージや意見を届けることができ、オンラインで署名もできる

外国人は、有権者ではない。だから、これまでの入管法や今回の改正案が直接に影響を及ぼすだろう人たちは、投票ができない。

日本人ではないということで失われた命をなかったことにしないためにも、この記事を読んでくださった方が、ぜひ小さなアクションをひとつでも起こしてほしい。
次ページ > 「難民として」ではなく他の選択肢づくり

文、写真=渡部カンコロンゴ清花

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事