コロナ禍では、授業への出席を通じて新たな友人との関係を築く機会も減ることになる。また、パンデミックの状況下で「どこまでが安全か」についての意見が異なれば、友人関係に緊張や破綻がもたらされることもあるだろう。
結果としてこの年齢の若者たちは、社会的支援を得ることができるネットワークの構築がうまくできず、パンデミックが収束した後も、その影響を受けることになる可能性がある。
一方、若年成人にとって外の世界とのつながりを保つ主な手段となり得るSNSは、連帯感を生み出し、互いを支援するシステムの構築に役立つものだが、対話が容易に有毒なものになるという側面もある。否定的な感情を引き起こす要因になる危険性があるということだ。
ワイズボードは、孤独とそれに関連するメンタルヘルスの問題に取り組むには、「堅固な社会的基盤」が必要だと説く。職場や学校、大学、その他のコミュニティーは、イベントやイニシアチブを通じて、人のつながりを維持することを支援できるという。
また、孤独を「不名誉なこと」とする考え方を変えるための社会啓発活動も重要だ。オーストラリアでは自殺防止を呼び掛ける非営利団体「RU OK?(大丈夫?、の意味)」が、周囲の人とのつながりを大切にし、生きることに苦しみを感じている人との会話を始めることを促すキャンペーンを行っている。
このキャンペーンに参加した人はそうでない人と比べて6倍、問題を抱えている可能性のある人と連絡を取る可能性が高くなっているという。米国をはじめその他の国も、プログラムを導入することができるだろう。