大リーグ球団価値、コロナ禍でも上昇 ヤンキースが首位堅持

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米大リーグ(MLB)は2020年、新型コロナウイルスの影響で過去に例のない巨額赤字を垂れ流したが、球団の価値が傷むことはなかった。フォーブスがまとめた2021年版「MLBで最も価値のあるチーム」ランキングによると、全30球団の平均価値は前年より3%高い19億ドル(約2060億円)と過去最高を記録した。

トップは引き続きニューヨーク・ヤンキースで52億5000万ドル(約5690億円)。昨年より5%超高い評価額になった。北米のスポーツチームで価値が50億ドルを超えているのは、ヤンキースとアメリカンフットボールNFLのダラス・カウボーイズ(57億ドル)、プロバスケットボールNBAのニューヨーク・ニックス(50億ドル)の3チームだけだ。

大リーグは昨シーズン、新型コロナ対策で異例の60試合制や無観客試合に切り替えた結果、30球団全体でEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は18億ドル(約1950億円)の赤字に陥った(2019年は15億ドルの黒字だった)。売上高も36億6000ドル(約3900億円)と前年から65%落ち込んでいる。

にもかかわらず球団価値が上がっている背景には、大きな市場のチームを中心に買い手候補からの引き合いが強いという事情がある。昨シーズン、1億2500万ドル(約135億円)の営業損失を計上したニューヨーク・メッツは10月、富豪のスティーブ・コーエンによって野球チームとして史上最高の24億2000万ドル(約2620億円)で買収されている。

ボストン・レッドソックスも昨年は7000万ドル(約76億円)の営業赤字だったが、大リーグ幹部によると、親会社フェンウェイ・スポーツ・グループが計画する11%の持ち分の売却にあたり34億ドル(約3700億円)あまりの評価額を得ているという。

このほか、米国株の上昇も球団価値にとって追い風になっている。それによって買い手候補の資産が膨らんでいるほか、算出に用いられている収益のマルチプル(評価倍率)も高くなっているからだ。
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編集=江戸伸禎

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