トップは引き続きニューヨーク・ヤンキースで52億5000万ドル(約5690億円)。昨年より5%超高い評価額になった。北米のスポーツチームで価値が50億ドルを超えているのは、ヤンキースとアメリカンフットボールNFLのダラス・カウボーイズ(57億ドル)、プロバスケットボールNBAのニューヨーク・ニックス(50億ドル)の3チームだけだ。
大リーグは昨シーズン、新型コロナ対策で異例の60試合制や無観客試合に切り替えた結果、30球団全体でEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は18億ドル(約1950億円)の赤字に陥った(2019年は15億ドルの黒字だった)。売上高も36億6000ドル(約3900億円)と前年から65%落ち込んでいる。
にもかかわらず球団価値が上がっている背景には、大きな市場のチームを中心に買い手候補からの引き合いが強いという事情がある。昨シーズン、1億2500万ドル(約135億円)の営業損失を計上したニューヨーク・メッツは10月、富豪のスティーブ・コーエンによって野球チームとして史上最高の24億2000万ドル(約2620億円)で買収されている。
ボストン・レッドソックスも昨年は7000万ドル(約76億円)の営業赤字だったが、大リーグ幹部によると、親会社フェンウェイ・スポーツ・グループが計画する11%の持ち分の売却にあたり34億ドル(約3700億円)あまりの評価額を得ているという。
このほか、米国株の上昇も球団価値にとって追い風になっている。それによって買い手候補の資産が膨らんでいるほか、算出に用いられている収益のマルチプル(評価倍率)も高くなっているからだ。