スポティファイCEO、アーセナルの元スター選手3人と買収提案か

Aytac Unal/Anadolu Agency/Getty Images

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スウェーデンのビリオネアで、スポティファイのCEOであるダニエル・エクが、英国のサッカークラブ「アーセナル」の買収に向けて、アーセナルの元スター選手3人の支援を受けて動き出していることが、英紙テレグラフによって報じられた。

テレグラフによると、エクは、2003〜04年のシーズンにプレミアリーグ無敗優勝を果たした「インビンシブルズ」のメンバーで、クラブOBのティエリ・アンリ、デニス・ベルカンプ、パトリック・ヴィエラの3人と手を組んで買収に乗り出すという。

もしエクの買収交渉が成功すれば、3人の元アーセナルのスター選手はクラブに戻り、これまでの経験とファンからの支持を生かして、新体制を構築していくという。

サッカー界を揺るがせた後に頓挫した、欧州スーパーリーグ(ESL)構想にアーセナルが参加を表明したことで、同クラブのサポーターの怒りの矛先は、米国人オーナーのスタン・クロエンケへ向かっていた。

クロエンケの息子であるジョシュは先週、クラブは売りに出されていないと主張したが、クラブの人気レジェンド3人がエクと手を組んだことは、クロンケらがエクの申し出に耳を傾けるよう、プレッシャーをかけることになりそうだ。

フォーブスはエクとスポティファイにコメントを求めている。

先週、ファンがクロエンケに抗議の声をあげたときに、スポティファイのエクは「子供の頃からアーセナルを応援してきた。彼らがアーセナルを売却したいと思うなら、私は喜んで買収に名乗りをあげたい」とツイートした。

アーセナルは、フォーブスがまとめた2021年の「世界で最も高価値なサッカークラブ」ランキングで8位にランクインし、その価値は28億ドル(約3030億円)とされている。エクは、2006年設立の音楽ストリーミング大手スポティファイの株式の9%を保有しており、彼の保有資産は、47億ドルと推定されている。

アーセナルは、18日に欧州スーパーリーグ(ESL)への参加を表明した。しかし、ファンからの大きな反発を受けたほか、国際サッカー連盟(FIFA)や欧州サッカー連盟(UEFA)などからも反対意見が出たことを受け、20日に撤退を表明していた。

アーセナルの取締役であるジョシュ・クロエンケは先週、欧州スーパーリーグ構想に関与していたことについて、サポーターに謝罪した。しかし、ファンからの要求にもかかわらず、彼はクラブを売却する考えはないと主張していた。

アーセナルのオーナーのスタンリー・クロエンケは、不動産で財を成し、その多くはウォルマートの店舗の近くにあるショッピングプラザで得たものだ。フォーブスは、彼の保有資産を82億ドルと試算している。クロンケは、NFLチーム「ロサンゼルス・ラムズ」やNBAチーム「デンバー・ナゲッツ」を含む、世界的なスポーツ帝国を運営している。

編集=上田裕資

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