でも、走りや乗り心地よりも人気があるのは、やはり、高級感あふれるインテリアとその装備。キャビンはミニバンというより、高級セダンらしいラグジュアリーが漂う。シートやセンターコンソール、ドアパネルは全部柔らかいレザーが使われているし、木目のアクセントも素敵。運転席に座ったまま手が届く位置にあるスイッチで、全てのドアを開けられると言うのがポイント。後ろのテールゲートはもう少し速いスピードで開いてくれれば嬉しいけどね。
やはり、アルファードの最高の売りのポイントは、2列目と3列目のシートの豪華さと快適性。2列目のキャプテンシートはオットマン設定で、足掛けがついて、ほぼフル・リクライニングだし、片方の肘掛の下に、格納式テーブルがあるのと、もう片方の肘掛の下にシート調整のボタンやヒーター、冷気クーラーのスイッチも付いている。しかも、各シートに読書灯やエアコンの吹き出し口も付いているし、JBL製のオーディオも搭載して、天井には大きな薄型TVモニターも完備。
その座り心地は、ビジネスクラス並のものがあって、ただそのシートに座っただけで、VIPになった気分がする。3列目シートも驚くほど広いし、座り心地も良い。しかも、どのミニバンよりも、スライド量も長いし、リクライニング機能も付いている。これは間違いなく、世界一の豪華なミニバンに違いない。室内には、100Vの電源も使えるので、地震などの災害時に停電になっても、動く電力として使用できるアルファードは頼もしい存在だ。
唯一、難しいと感じたのは、駐車場でバックでパーキングをしようとする時だ。やはり、アルファードは長いし、しかもリアの視認性も限られている。だから、運転者は上手にパーキングセンサーやバックモニターを使いながらじゃないと、切り返しが多くなる。基本的に、ドライバーに空間感覚があった方がより安全に走れるクルマだと思った。
マイナーチェンジ後、自動ブレーキシステムの「プリクラッシュセーフティー」や車線逸脱防止をサポートする「レーントレーシングアシスト」などを加えた、予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense(第2世代版)」が装備されるので、安心してドライブできる。
ここまで広くて高級感あふれる快適装備も充実しているミニバンは他にないので、バカ売れするのも納得できる。「道路を走る高級四畳半」と言う感じがするこのクルマは、キング・オブ・ミニバンの座を間違いなくキープするだろう。
●アルファード エグゼクティブ ラウンジに乗ってみた
国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
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