国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

売れているのも納得? マイナス点を探すのがむずかしい。

今週は、日本で一番売れているミニバンを取り上げようと思う。そのクルマはもちろん、トヨタ・アルファードだ。昨年、兄弟車のヴェルファイアと合わせて、いわゆる「アルヴェル・シリーズ」が9万748台が販売され、ミニバンナンバー1に輝いた。その人気の秘密を探ってみよう。

今回、乗ったのはそのラインアップの中の一番豪華な7人乗りの「アルファード・エグゼクティブラウンジ」仕様だ。ミニバンの中でも一番目立つ顔だし、内装やその設備は、飛行機のビジネスクラス以上の仕上がりなので、企業の役員、政治家、芸能人などが良く乗っている。これだけの人たちに支持されているからこそ、多くの一般人も、そこまで豪華ではない仕様にしろ、乗りがたる。どれぐらい人気かと言うと、アルヴェル・シリーズの価格は352万円代から775万円まで設定されているにもかかわらず、大型ミニバンクラスで、なんと75%以上のシェアを誇っている。

2020年に10万台弱売れたと言っても、この3代めアルファードは実は5歳を超えている。また、2018年にマイナーチェンジを受けているのに、まだまだ人気が落ちないのは、やはり商品力の強さにある。

アルファードを横から見た写真

スタイリングは自己主張が強く、道路では存在感抜群でプチ偉そうな雰囲気だ。あのドデカい角ばったグリルは大ヒット映画「トランスフォーマーズ」のロボットの顔のようだ。「あのグリルをバーベキューのグリルとして使えば、サッカーチーム分のステーキはいっきに焼けるでしょう」と、フィリピンの同僚が半分冗談で言ってた。

その通り。アルファードは中国、フィリピン、東南アジアでも人気がある。「みんな、アルファードに一度乗ると、絶対に欲しくなりますよ。こんな豪華なミニバンは他にないからね。その高級感にしては、価格はリーズナブルだと思います」と、そのフィリピンの同僚が語る。

3年前のマイナーチェンジでは、ヘッドライトやグリル、またテールライトの一部の改良を受けたほか、シャシーも補強したので、乗り心地はとてもしなやかだし、ライバルのミニバンで感じるピッチングやボディロールは極限に減らしている。ここで簡単にエンジンスペックに触れてみよう。僕が乗った4WDのエグゼクティブ・ラウンジ仕様は、CVTと組み合わさった2.5リッター直4のガソリン・ハイブリッドで、197PSの総合的な出力を叩き出している。エンジンは152PSを発生しているのに対して、フロント・モーターは143PS、リアモーターは68PSを発揮している。その4輪駆動の発進、加速、停止もスムーズでパワフルだし、エンジンとモーターの切り替えも静かでシームレス。アルファードは重いので、ハイブリッド仕様のリアルワールドでの燃費は僕がテストしたところ、11km/Lほどだけど、7人が乗ると燃費は8km/Lぐらいに落ちるのはしようがない。

アルファードの運転席の写真

同車の車重は2230kgもあるけど、不思議なことに重く感じないし、ステアリングは多少アンダー気味だけど、それは安全第一を選択した設定だと思う。しかし、全長5メーターほどの巨大な箱型車でも小回りが効くし、路面から十分な情報を読み取っているので、安心して乗っていられる。

文=ピーターライオン

トヨタ
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