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2021.04.11 07:00

「スマート」はデジタル化だけじゃない? イオンが目指す未来型コミュニティとは

マレーシア・ジョホールバル市にあるイオンモール(shutterstock.com)


「現段階で推進している『次世代スマートイオン』は、5つの基準のなかの『スマートエネルギー』に特化しており、さらに言うと2030年までに各自治体のCO2排出量を35%削減することが主な目標です」と鈴木氏は言う。
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5つの基準があるとはいえ、すべての地域で一律の取り組みをするのではなく、それぞれの地域のニーズや特性を尊重しながら持続可能な店舗づくりを推進している。

例えばイオンモール大阪ドームシティは、イオンと大阪ガス共同のもと、「防災対応型スマートイオン」として2013年5月に誕生。周辺施設と連携した効率的なエネルギー利用など省エネへの取り組みに加え、建物の耐震性や津波対策を強化したり、非常時の電源確保を実現したりすることで、地域の防災拠点としての機能を兼ね備えた店舗となっている。

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イオンモール大阪ドームシティ
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2020年2月末時点で、こうした地域のニーズ・特性に合った12店舗のスマートイオンが誕生している。

顧客とともに植え、育つ「イオンの森」


イオンの象徴的な活動といえば、1991年から開始した「植樹活動」だ。2013年11月に植樹本数が累計1000万本を超えたことを機に、「森の循環プログラム」という取り組みも開始している。このプログラムでは植樹だけでなく、森を育て、育てた森を管理し、そこから生産された木材を、商品原料や店舗の資材に活用する、といった取り組みも行っているという。

「新しい店舗がオープンする際にも、お客様とともに店舗の敷地内に植樹をしています。これは景観のためではなく、『木が自然に地域とともに成長し、そして緑を育む心が、地域の人々に広がっていくように』という想いからです。年月を経た店舗の敷地には、建物よりも大きく、たくましい木が育っていることがわかります。みんなで植えた木が育ち、そこに生き物が集う、そうした自然豊かな地域に根ざした『イオンの森』を目指して植樹活動をしています」

イオン周辺で起きている「ミニスマートシティ化現象」


しかし、なぜイオンは自治体や周辺施設との連携をスムーズに行うことができるのか。

イオンは、各自治体と包括連携協定を結んでおり、防災・福祉・環境保全の推進や、「ご当地WAON」(買い物金額の一部をイオンが自治体などに寄付し、地域の経済活性化や環境保全、観光振興などに役立てるというWAONカードのこと)などを活用した商業・観光の振興など、さまざまな分野でお互いがもつ資源を有効に活用するため協働している、と鈴木氏は言う。2020年2月末時点で120の自治体とこの協定を締結している。

「この協定により、地域と密接に意見交換することができ、たとえば高齢者や障害者、子育て支援など、それぞれの地域で異なるニーズに柔軟に対応しながら、地域の方々とともに取り組むことができています」
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取材・文=長谷川寧々 写真提供=イオン

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