ビジネス

2021.04.15 07:30

もはや手抜きではない。コロナ禍で進化する「冷食」「中食」

石井節子

極洋、魚料理をより手軽に


主に水産加工品を主力とする総合食品企業、極洋は「ニューノーマルな時代へ」をテーマに携えて、2021年春に『だんどり上手』シリーズから「袋のままレンジで温めるだけ」のフローズンチルド6品を新発売するとしている。加えて家庭用の冷凍食品4品・缶詰4品なども販売する予定だ。

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極洋だんどり上手 ぶり大根(骨なし)(画像提供:極洋)。

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極洋だんどり上手 銀鮭の塩焼き(骨なし)(画像提供:極洋)

従来『だんどり上手』シリーズは業務用として展開されていたが、コロナ禍の内食ニーズの高まりと自炊疲れの世情から家庭用として中食が販売される。ラインナップは『ぶり大根』や『銀鮭の塩焼き』など。すべて骨なしで通常の調理では手間がかかる魚料理を簡単に食べることができるため、お年寄りなどからの需要も高そうだ。偏りがちな食生活に不安を抱きつつある主婦/主夫層にはとくに刺さるのではないだろうか。

「化学調味料不使用」の無印良品


コロナ禍に関わらず、引き続き冷凍食品や手作りキットが好調だという無印良品。2020年12月にオープンした関東最大の売場面積を誇る「無印良品 東京有明」では、冷凍食品の売場面積が全店舗最大となっており、やはり冷食の需要の高さがうかがい知れる。

定番の『さばの味噌煮』や『千切り大根』などのおかずだけでなく、キンパなどごはんものやクロワッサンといったパンまで幅広い選択肢が魅力だ。一部通信販売でも購入可能なことから、ストック用としても事欠かない。化学調味料不使用という点で、中食にありがちな健康面での不安を払拭する取り組みもされている。もはやコロナ禍云々に関わらず、中食が主要な食事となる日も遠くなさそうだと感じられる取り組みだ。

アマゾン、最短当日デリバリー


生鮮食品などが手軽に購入できる「Amazonフレッシュ」には、冷凍/冷蔵のミールキットも取り揃えられている。通常の冷食と異なり簡単な調理が必要なものもあるが、材料がすべて揃っていて手順も記載されているため、「献立を考える」「材料を揃える」「食材を切る」などの手間を省いたうえで、温かみのある「手料理風」が完成する代物だ。バリエーションも豊富で、1名用から2〜3名用のものなどシーンによって選択することが可能。

利用するにはAmazonプライム会員、もしくはAmazonフレッシュ会員になる必要があり、対象エリアも限られるが、早ければ当日届く速さも魅力。不急不要の外出が憚られるなか、思いついたときに食べたいものを家から注文し、すぐに届けてくれる。そのうえストックも可能であり、「ザ・中食」感もない。デリバリーと内食との間でバランスのとれたサービスだといえそうだ。
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文=アステル 編集=石井節子

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