スタートアップのすゝめ

Yauhen_D/shutterstock

先週、息子の学校が休みだったので、シリコンバレーから5時間ほど北にドライブしたところにある、シャスタ山にスキー旅行に行ってきた。

普段乗っている車は二輪駆動のマニュアル車で、まったく雪山には不向きだったので、「TURO」というカーシェアリングのアプリで、初めて全輪駆動のテスラを借りることにした。電気自動車は、路面の状況に対する反応がエンジン車よりも早く、雪道でも安定して走れるという話を聞いていたので、試してみたかったのだ。

テスラには一度試乗させてもらったことはあったが、長距離のドライブは今回が初めて。やはりテクノロジーは自分で体験しないとわからないので、いろいろ試しながらテクノロジーとビジネスに関して考えたことを書いてみたい。


シャスタ山(Getty Images)

テスラは買ってからも価値が上がる


まずはTUROというアプリを使って車を借りた。このアプリではコンタクトレスで鍵の貸し借りができるのだが、テスラ車は前回借りたランドローバーとは違って、スマホでの解錠も可能だ。

イーロン・マスクはいずれロボタクシーのサービスを開始すると言っているが、そこではいちいち鍵の受け渡しなどやっていられないだろう。オーナーがいない離れた場所でも、安全に車の乗降ができるようにするには、こういう仕込みも必要なわけだ。

ロボタクシーを実現するには無人での自動運転機能が必要だ。これがいつ完成するのかはまだ時期は読めないが、イーロン・マスクによれば、今年中に自動運転機能の安全性が人間を超えることは間違いないという。実際に運用が開始されるまでに人間よりも20倍安全にするとのことだが、現実的な近い未来のこととして期待していいのだろう。

現在テスラに搭載されているのはオートパイロットの機能(レベル3)で、自動運転ではないのだが、この機能も今回のドライブで試してみた。


テスラの車内(shutterstock)

シリコンバレーからシャスタ山へは、ほとんどの道のりがフリーウェイだ。そこで、かなり長い時間このオートパイロットをオンにしていたのだが、快適なことこのうえなかった。

途中充電休憩を入れたが、前回自分で運転していた時と比べて、疲労の度合いがまったく違う。車の流れが速くなったり遅くなったりしても、自動的に車間を調整してくれるし、追い越したい時はウインカーを触れば自動的に隣のレーンに車線変更してくれる。

もう1つ感心したのは、運転席前の液晶大画面にリアルタイムで、車が外の世界をどう認識しているかが表示されていることだ。これは運転には必要ないのだが、おそらく将来自動運転機能を搭載することになった時のために、いまからドライバーを安心させておく心理的な効果があるのではないだろうか。

それを見ていると、横断歩道で待っている人や、道路に出されているゴミ箱なども障害物としてきちっと認識していることがわかる。こうしたものをずっと見せられていれば、いざ自動運転機能が実現して、車にコントロールを任せようと思った時の心理的抵抗はグッと減るはずだ。こうした先のことまで見越してソフトウェアを仕込んでいるのだろう。

文=村瀬 功

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