新たに追加されたセクションで同社は、地球温暖化によるホッキョクグマの個体数減少に関するデータなどを含む「現在進行中の具体的な事象」を取り上げ、世間に広まる情報の誤りを暴いていくという。
このプログラムの監督はジョージ・メイソン大学やイェール大学の気候変動コミュニケーションプログラム、ケンブリッジ大学の専門家たちが担当する。
フェイスブックが設置した情報ハブの「気候科学情報センター」は、科学に基づいたニュースや親しみやすい情報、実行可能なリソースで人々をつなぐことを目的としている。同社は、気候変動関連の投稿に情報ラベルを追加し、情報ハブに人々を誘導することを開始する。
18日の声明によると、この情報ハブは現時点でフランス、ドイツ、英国、米国で利用可能であり、今後はベルギー、ブラジル、カナダ、インド、インドネシア、アイルランド、メキシコ、オランダ、ナイジェリア、スペイン、南アフリカ、台湾に拡大されていくという。
ケンブリッジ大学のSander van der Linden博士は、「有害なデマの拡散は、地球温暖化による壊滅的な事態を防ぐために必要な、世界的な協調を脅かすことにつながる」と述べた。「フェイスブックは独自のやり方で誤情報の拡散に対抗しようとしている。新たに設けられたセクションは、危険なデマを追放するための重要な一歩となる」
フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグは昨年、SNS企業が政治家の発言のファクトチェックに責任を持つべきではないと考えていると発言していた。「私は、フェイスブックやインターネットプラットフォームが、一般的に、真実の裁定者であるべきだとは考えていない」とザッカーバーグは昨年5月にメディアに述べていた。
ワクチン関連の誤情報も排除
しかし、昨年夏、同社はプラットフォーム上での誤情報の流布に立ち向かうため、情報ハブの展開を開始した。8月に同社は投票情報センターを立ち上げ、米国人たちが「投票所で声を届けるために必要なツールと情報」の提供を開始した。
そして、今月初めから、新型コロナウイルスのワクチンに関する「信頼できる情報を広めるための世界最大規模のキャンペーン」を開始し、ワクチンに関する虚偽の情報を削除していくと発表した。
フェイスブックは、2017年に議会に提出した書類の中で、ロシア政府とつながりのあるInternet Research Agency というロシア企業が、約8万件の対立を煽る投稿を行い、2年間で約2900万人の人々に表示されていたと述べていた。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)の報道によると、ロシアの工作員による「米国市民の間に不和を招くことを意図した投稿」は、合計1億2600万人のフェイスブックユーザーにリーチしていたという。