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Photo by Jacob Silberberg/Getty Images

カカオ産業は児童労働という問題を抱えているが、解決策は存在するのだろうか。「存在する」と答えるのは、オランダ発のチョコレートメーカー「トニーズチョコロンリー」だ。しかも、その解決策は「甘い」。

トニーズチョコロンリーは2021年1月下旬、「スイート・ソリューション」というチョコレートバーのシリーズを発売した。その目的は、カカオ産業が子どもを労働力として使っていることについて人々の関心を高め、業界の苦い真実を暴露することだ。

同社はさらに、よりフェアな方法でチョコレートを生産しても利益をあげることができるし、罪の意識を感じずにチョコレートを楽しめることを証明しようとしている。

「スイート・ソリューション」シリーズは、トニーズチョコロンリーが原料調達について掲げる5原則に従って製造されている。その5原則とは、「産地を100%追跡できるカカオ豆を使用すること」「より高い価格でカカオ豆を買い取ること」「強い農家を育てること」「農家と長期的な関係を築くこと」「高い品質と生産性を重視すること」だ。

トニーズチョコロンリーはまた、すべてのチョコレート生産者が同社と同じ原則に従ってチョコレートを生産できるようにするための、オープンソースの調達プラットフォーム「トニーズ・オープンチェーン」も開発した。

同社が「スイート・ソリューション」の販売を開始したのは、カカオ産業の児童労働問題が改善されないためだ。世界的チョコレートメーカー8社は2001年、サプライチェーン上の児童労働と現代奴隷を撲滅すると約束する「ハーキン・エンゲル議定書」に署名した。

ところが、それから20年が過ぎても、状況はほとんど変わっていない。米シカゴ大学世論調査センター(NORC)は2020年、報告書「コートジボワールとガーナのカカオ生産地において、カカオ生産に従事する児童労働の削減状況評価(Assessing Progress in Reducing Child Labor in Cocoa Production in Cocoa Growing Areas of Cte d’Ivoire and Ghana)」を発表した。

そのなかで明らかにされたのは、「2018年と2019年にコートジボワールとガーナのカカオ生産地でカカオ生産に従事した児童数はおよそ156万人だった(農家の子どもが占める割合は45%)」ことと、「そのうちの約148万人(農家の子どもが占める割合は43%)が、2018年と2019年に危険な労働に従事していた」ことだ。

さらに、「2008年9月から2019年9月までの評価期間中、両国のカカオ生産地にある農家で危険な労働に従事していた子どもの割合が14ポイント増加していた」ことも示された。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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