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テキストメッセージによる脅迫や、ズーム会議にズボンを履かずに参加することなど、遠隔勤務の普及により、職場でのハラスメントが形を変えたことを示す事例は多い。

仕事で人と接する女性からは、マスクの着用により職場での扱われ方が変化したという声も上がっている。世界はここ1年でさまざまな変化を遂げており、セクシュアルハラスメントも変化したと考えるのが当然だろう。

遠隔勤務でのセクハラ


昨年10月には、米誌ニューヨーカーのライターで米CNNテレビの政治アナリストだったジェフリー・トゥービンが、ズーム会議中に「意図せず」性器を露出したことで停職処分となった。同僚によればトゥービンは会議中に自慰行為を始めたとされ、本人は謝罪声明で自分がカメラには映っていないと思っていたと釈明した。

在宅勤務の気楽さにより、こうした社会人らしからぬ行動が助長されていると考える人もいる。他の例からは、よりさりげない形でのセクハラが行われていることが示唆されている。ある女性は上司から、ズーム会議では顔だけではなく体全体を見せるようにと言われた。

リモート環境でもセクハラが存在するのは明らかだが、発生数は比較的少ないことが報告件数からは示されている。

雇用問題を扱う弁護士で、ノットミー・ソリューションズ(NotMe Solutions)の設立者であるエリアル・ウィーンドリング最高経営責任者(CEO)は、職場でのセクハラの現状に詳しい。同社は、人種差別やハラスメントなどの問題行動を経験したり、目撃したりした人がそれをアプリから通報できるサービス「#NotMe(私は違う)」を運営している。

ウィーンドリングによると、昨年3月に店舗やオフィスの閉鎖措置が始まってから、遠隔勤務環境でセクハラが起きたという訴えは全くないという。もちろん、職場への出勤を続けているエッセンシャルワーカー(人々の生活に必要不可欠な仕事をしている人)の間では今でも起きている。

ウィーンドリングによれば、遠隔勤務でのハラスメント通報が少ない理由は2つ考えられる。1つ目は、ビデオ会議やテキストメッセージでは不適切行為の証拠を記録に残すことが簡単であるため、ハラスメントの抑止力になっていること。

ただ、申告がないからといって、セクハラが完全になくなったとは言えない。2つ目に考えられるのは、今も続く不況の中で従業員が自分の雇用を心配し、不適切な行動の告発をためらっている可能性だ。

編集=遠藤宗生

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