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2021.02.02 14:30

米イケア、「複層的」店舗戦略を加速 持続可能性も重視


イケアの新しい店舗形態は、次のような要素を持つ。

・通常の大型店舗:米国には現在、このタイプが約50店舗ある。キニョーネスは、「大型店舗がなくなることはない。イケアでの買い物体験をあますところなく堪能してもらうために、大型店舗は今後も重要な役割を果たし続ける」と話す。

・中型店舗:少なくともイケアにとっては「小さめ」であるこのタイプは、大型店舗と比べると、都心部に近い場所に位置する。米国での1号店はニューヨークのクイーンズ区にあり、2021年1月にオープンしたばかりだ。面積はおよそ10万平方フィート(約9290平方メートル)で、イケア独特の迷路のようなショールームと、各種商品を集めたマーケットプレイスの両方を備えている。

・小型店舗:面積は5000平方フィート~1万平方フィート(約465平方メートル~929平方メートル)で、都心部に位置する。キッチンやバスルーム、インテリアデザインを中心にした品揃えで、オンラインや大型・中型店舗で注文した商品を受け取ることもできる。1号店は、ニューヨークのマンハッタンにある。キニョーネスによると、このような「人々により近い」場所にある店舗が「多数」オープンすることになるようだ。

以上の3形態による店舗ネットワークがまもなく大規模に展開されると、キニョーネスは述べた。イケアが狙いを定めている地域は、ニューヨーク以外に4都市ある。具体的には、カリフォルニア州のロサンゼルスとサンフランシスコ、イリノイ州シカゴ、およびワシントンD.C.だ。これらの都市では今後3年間で、3形態のうちの少なくとも1形態の店舗がオープンする予定だ。「それらの都市の消費者はみな、自宅から20分でイケアの店舗にたどり着けるようになるだろう」

こうした実店舗を展開する以前に、イケアはeコマースについてすでに大幅な見直しを行っており、新しいモバイルアプリも開発済みだ。同社は、オンライン販売で後れを取っていたことを認めている。パンデミック前は、米国の総売上のなかでeコマースが占める割合は15%ほどだったが、現在は25%まで拡大しており、いずれは半分を占める可能性があるとキニョーネスは話す。「ただし、時間はかかるだろう」

イケアはまた、持続可能性と環境をめぐる取り組みについても、長期にわたって力を入れてきた。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生により、持続可能性は私たちの最優先課題となった」とキニョーネスは述べ、同社が掲げている高い目標に言及した。今後5年から6年で、太陽光パネルを24万台、風力タービンを100台以上設置するほか、すべての照明をLEDに置き換えるプログラムを実施するという。

イケアはまた、持続可能な方法で木材を調達するために、米国で森林を購入している。2021年に入ってからも、ジョージア州で購入したことを明らかにしたばかりだ。また、肉を使わない植物由来の「スウェーデン風ミートボール」の販売にも着手した。

「持続可能性と利益は相反すると考えられているが、それは言い訳にすぎない。私たちは、持続可能性への取り組みを絶好の機会とみなしている。この変化を信じない限り、人類に未来はない」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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