I study technology disruption in individuals, companies and societies.

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スウェーデン発の家具大手イケア(IKEA)は、70年にわたって毎年発行してきたカタログの発行を、2021年版を最後に終了すると発表した。一時は世界で2億部が刷られていたが、顧客の関心が薄れてきたことに対応した。今後はウェブサイトなどでデジタル技術を活用した商品紹介に注力する方針だ。

イケアのカタログ第1号は、創業から4年後の1951年、創業者のイングヴァル・カンプラードによって作成された。全68ページで28万5000部刷られ、スウェーデン南部で配布された。

カタログの人気がピークだった2016年には、32言語で計2億部が刷られ、50カ国で配布された。しかし、2020年版は4000万部まで減っていた。

終刊を決めたのは、顧客の大多数がカタログではなくウェブサイトを閲覧するようになっているため。イケアのオンライン売上高は急成長を続けており、ソーシャルメディアとの連携や仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の活用など、デジタル技術を駆使した商品紹介には無限の可能性がある。

一方で、1万2000点におよぶ商品を掲載する300ページのカタログの作成には、毎号1年近くかかっており、その経費はイケアのマーケティング予算でかなりの大きさを占めている。また、紙版のリサイクル率は10〜15%にとどまっているという。

電子フォーマットで代替できるのに、さまざまな用途でまだ紙を使っている企業は多く、今後、あらゆる業界でイケアの決断に追随する動きが広がりそうだ。

編集=江戸伸禎

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