このデータは、アビエーション・セーフティー・ネットワーク(ASN)が1月初めに発表した飛行機墜落事故の最新データによるもので、2020年は314人の死者が記録されている。昨年起きた死亡事故は全部で8件で、1年間の記録としては最低だった。
これらの数字はどちらも、航空業界における5年平均を下回るものだ。昨年は、不注意による航空機の撃墜が2件発生し、乗客・乗務員182人が死亡している。ここでの数字はそれを含めたものだ。
ASNによると、2020年の世界の航空交通量は2019年のわずか半分ほどの約1900万便であり、これは1999年の全運行便数と同等の水準であることが業界の調査から示されている。1999年にASNが正式に記録した死亡事故数は43件で、死者数は689人だった。
この数字からは、過去20年で航空機の安全が飛躍的に向上したことが明確に示されている。空の旅が最も安全に運行された年は2017年で、死亡事故数は10件、死者数は44人だった。
ASNは、これまでの進歩にもかかわらずまだ大きな課題が残っていると語っている。2020年に明らかになった課題は2つある。1つ目は進入(アプローチ)や着陸時で、2つ目は紛争地帯の上空を通過する商用機だ。
インドとトルコでは昨年、航空機が滑走路から外れたことにより計23人が死亡した。この2つの事故からは、オーバーランを防ぎ、国際民間航空機関(ICAO)の提案に沿った滑走路の環境を整える取り組みの必要性が強く示されている。
ASNはまた、ウクライナ国際航空のボーイング737型機がテヘラン上空で昨年1月8日に撃墜されたことや、イースト・アフリカン・エクスプレス航空の航空機がソマリアで昨年5月4日に撃墜されたことなどを受け、紛争地帯を通過する航空機は確立されたICAOの指針に従うべきだと強調した。