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フォーブス ジャパン ウェブ編集部 エディター

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世紀をまたいで世界を熱狂させたあの「セックス・アンド・ザ・シティ」が実に20年近くぶりに、「And Just Like That...」のタイトルで戻ってくる。

「セックス・アンド・ザ・シティ」は1998年から2004年にかけて米ケーブルTV大手HBOで放映され、2008年と2010年には映画化もされた、「SATC」の愛称でも知られる世界的な超人気シリーズだ。

サマンサは(やはり)不在?


90年代末には、4人の女性がセックスについて赤裸々に語り、セックスシーンも潤沢、というテレビドラマは驚きをもって迎えられた。そして、メインの出演者全員がアングロサクソンの女性、という「ダイバーシティの不在」が批判されたりもしていたし、長年の恋人ビッグにご執心なヒロインキャリーを「男に関して独立心がない」と酷評するむきもあったものの、文字通り破竹の勢いでファンを獲得し続ける。

テレビで最終シリーズが放映された2004年当時は、米国内だけで1060万人が、英国では「チャンネル4」で410万人が視聴するという脅威のメガヒットとなった。ちなみに当時、コアなファンは18〜34歳だった。

シリーズのプロデューサーだったダレン・スターは、目下、手掛けたNetflix最新作「エミリー、パリへ行く(Emily in Paris)」が大きなヒットになっているが、今回のリバイバル版に参加するかどうかは明らかにされていない。

発表によれば「And Just Like That...」は全10話。設定や人物たちは「セックス・アンド・ザ・シティ」そのままで、ヒロインのライター、キャリー・ブラッドショー(サラ・ジェシカ・パーカー)、キャリーの親友たちも弁護士のミランダ・ホッブス(シンシア・ニクソン)、画商のシャーロット・ヨーク(クリスティン・デイヴィス)と変わらずだ。

ただし、PR会社社長でもっともセックスに奔放だった、キャリーのもう1人の親友「サマンサ」役キム・キャトレルの名前は、キャスティングにない。

キャトレルは2017年、BBCの番組に出演時、「二度とサマンサを演じない」と話していたし、もともとキャリー役のパーカーとの知る人ぞ知る「不仲説」もあったため、業界関係者たちやオールドファンは目配せしつつ納得、といったところだろうか。

SNS登場前に生んでいた「トレンド」


SATCは、思えばSNS上でのトレンドが生まれるはるか昔にすでに、「コスモポリタン(4人がバーに集まっては飲んだカクテル)」や「うさぎのバイブレーター」といった「トレンド」を生んだことでもエポックメーキングな作品といえる。

4人のファッションも毎回、話題になった。「ハーパーズバザール日本版」が2010年7月号で「SATC2は女の教科書」としてカバーストーリーに冠したほか、多くの日本のライフスタイル、ファッション誌が特集を組んだものだ。


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物語は続いていた──


「And Just Like That…」のトレーラーを見てみた。

サブウェイの方向掲示板、渋滞する車道にエンパイア・ステートビル、ブルックリン橋……。「これぞニューヨーク」といった風景が次々と映し出される。BGMもニューヨークを象徴する車のクラクション、そして大都市の喧騒だ。3人の姿はそこにはない。

やがて白い紙に「And just like that…(そして、ただそんなふうに)」の文字が1ワードずつゆっくりとタイプされる。ファンにはおなじみ、キャリーのハスキーボイスがそれを読み上げた後、紙の上にはさらに、「The story continues(物語は続いている)」の文字がタイプされる。



超メガヒット作品がここ20年近く、ただ「ミュート(静止)」していたわけではないことが、ほんの数十秒で実感できる印象的な動画だ。

超ヘビースモーカーだったキャリーは相変わらず喫煙者か、成長したミランダとシャーロットの子どもたちはどんな職業を選んだのか、キャリーとビッグには子どもがいるのか、そもそも2人はまだ一緒に暮らしているのか。そしてなによりも、ときに「都市の終末」に向かう気配を感じとる人さえいる緊縮戒厳令下ニューヨークで、50代になった3人が今、何を恐れ、何に希望を見出して生きているのか?

「And Just Like That…...」が見せてくれるのは、この作品の同時代人として人生を進めてきたわれわれが各々の「新しい時代」を生きる上でヒントにし得る、「都市と女たちのその後」かもしれない。

文=石井節子

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