子どもの「5人に1人が視力低下」には心因性も?
昨年10月、主に医薬品の製造・販売をするロート製薬が、全国の子どもを持つ30〜40代の母親を対象に「コロナ禍における子どもの目の調査」を行った。それによると、今回のパンデミック前(2020年1月頃)と比較し、約5人に1人は「子どもの視力が悪くなっている」と感じたり、実際に診断を受けたと回答した(「コロナ禍における子どもの目の調査」2020年10月2日、ロート製薬)。
その理由として、学校のオンライン授業実施や動画配信サービスの視聴、ゲームのプレイ時間など、デジタル機器の使用頻度が上がったことが考えられる。
加えて、子どもの場合、心因性視覚障害によって視力低下を引き起こしている可能性もある。これは、新しい生活様式の中で感じるストレスなど、心理的要因によって発症する障害で、特に思春期前期の7歳~12歳の女児が発症しやすい障害だ。
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「20-20-20ルール」、「東洋医学ツボ」
新しい生活様式において、様々な要因から目を守るためには、意識的に対策を行っていく必要がある。以下、効果的ないくつかの対策法を紹介する。
・米眼科学会推奨の小休止法
米眼科学会は、「20-20-20ルール」を推奨している。これは、デジタルデバイスを使用する際、20分に1回ずつ、20秒、20フィート(6.1メートル)以上先のものを見て、目を休ませるという方法だ。
・東洋医学における「視力回復ツボ」
東洋医学において、視力の低下を予防・改善すると言われているツボがある。目の疲れを感じたときには、以下のツボを押すと効果的だ。
魚腰:眉毛下の真ん中あたりの凹み
天応:眉頭下の凹み
晴明:目頭の少し上
四白:目の真下の頬骨の凹み
太陽:こめかみ
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・定期的な眼科への受診
気づかぬうちに視力低下に陥り、そのままの眼鏡やコンタクトで生活をしていると、ますます目の不調は悪化する。
また、特に40代以降は、失明の危険性を伴う緑内障などの発生率が高い。緑内障は、気づいたときには発症していたというケースが少なくない病気だ。こうした病気は健康診断の視力検査の領域では発見できないため、きちんと眼科を受診する必要がある。
多くの人が内科や歯科のかかりつけ医を持つように、デジタル社会では眼科にもかかりつけ医を持つ必要があるかもしれない。
・生活習慣全般を整える
視力低下や眼精疲労が気になる人は、目だけでなく身体全体の健康維持に努めることが重要だ。普段、あまり運動できていないという人は適度な運動を心がけ、体が凝り固まらないようにする。また、睡眠時間を十分に確保できていない人は、しっかりと休む時間を意識的に設ける。
規則正しい生活を心がけ、生活習慣が改善されれば、身体全体の体調も良くなる。結果、目の状態も改善しやすくなるのだ。