医薬品の製造販売をするツムラが、20〜40代の男女1800人を対象に行った不調に関する実態調査によると、2020年のコロナ以降に感じた身体の不調で最も多かったのが「目の疲れ」63.7%だった(続いて、「疲れ・だるさ」60.1%、「肩こり」59.6%)(参照「2021年不調予想ランキング」ツムラ調べ。共同通信PRWireより)。
「目が疲れる」「視界がぼやける」といった症状が確実に増えている今。われわれはどのような対策を講じているだろうか? 「疲れ目だから」と市販の目薬でその場を凌いだり、40代以降であれば「老眼か……」と判断し、そのままにしてはいないか。
だが、長期に渡る目の不調を自己判断で放置していると、取り返しのつかないことになってしまうかもしれないのだ──。
「スマホ老眼」や「夕方老眼」も
パソコンの使用、スマホやゲーム機の操作など、目を酷使する状態が長時間続くと、急激な視力低下につながる。これは、近くのものを見続けていると、脳が勘違いをして「近いものを見やすい目にしてあげよう」と目の構造を作り変えてしまうためだ。
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使用するコンタクトやメガネの度数が適正でないことも、視力の低下を引き起こす原因となる。普段、自分では気付かなくとも、1年前や半年前の視力と今の視力では大きく変化していることは多分にある。
40代以降であれば、最近、ものが見えづらくなったのは「老眼のせい」と考える人は多いだろう。老眼は、加齢により目のレンズである水晶体が硬くなることで、厚くなったり薄くなったりする調節が難しくなるために起こる。
しかし、近年は若年層の間でも「スマホ老眼」や「夕方老眼」などと呼ばれる、老眼に似た症状を発症する人が増加している。若くとも目を酷使し続ければ、水晶体は硬化してしまう。デジタル社会の現代において、もはや老眼に年齢との関係はなくなりつつあるようだ。