90万円の超高級冷蔵庫も
そのLG電子の「LG SIGNATURE」は、デンマークのプロダクトデザイナー、トーステン・ヴァルアー氏がデザインを担当。その芸術的なデザインは男女問わず多くの顧客の心を掴んでいる。
シリーズの1つである「LG SIGNATURE InstaView Door-in-Door冷蔵庫」は、日本円で90万円を超える超高級品だ。通常では考えられない高価格が世界で評価されている理由は、デザインに加え、高いIoT技術があげられる。
LG SIGNATURE InstaView Door-in-Door冷蔵庫
この冷蔵庫は、ガラス扉を2回ノックすると冷蔵庫内が透けて見え、ドアを開けずに中身を確認できる。さらには、足先をかざすと冷蔵庫を開けられたり、自動で除菌・脱臭したりと至れり尽くせりだ。LG製品共通のアプリ「LG ThinQ」を使えば外出先から冷蔵・冷凍温度の確認や調整も可能。利便性だけでなくエコな点も評価されている。
LGは、白物家電への需要が高まるインドへのローカライズ戦略も抜かりない。スパイス料理が欠かせない文化に合わせ、スパイスの香りが他の食材にうつらず保管できる「スパイスボックス」搭載の冷蔵庫を発売。電力網が不安定な地域に向けた停電時にも冷気を約7時間キープできる冷蔵庫、超音波で蚊を撃退できるエアコンなど商品開発力も高い。
冷蔵庫以外では、コロナ禍を受けて、服をかけておくと洗濯・乾燥・除菌のできる「LG Styler(スタイラー)」も注目を集めた。衣服はもちろん、マスクの除菌も可能。化学洗剤を使用しないためサステナブルな商品でもある。同様にサムスン電子も空気清浄機や冷蔵庫を中心に売上を増加。倉庫設備拡充を検討しているという。
新型コロナの再拡大の今冬は、加湿器や電気ストーブなど冬物家電の需要も増える可能性がある。テレワークの継続を表明する企業も多く、家電需要の高まりはしばらく続きそうだ。