店の雰囲気づくりに協力する
何時間も同じ店にいるときは、オーダーするカップサイズを大きくしたり、適宜に追加の注文をしたりするのがマナーだ。しかし、それ以外の方法で、間接的に店に協力することもできる。店の良い雰囲気を伝える役になればいいのだ。
たとえば、観光地などの路面に面したカフェを想像してみてほしい。通りを歩く人は店内の様子に惹かれて、その店に入りたいと思ったりする。店の上質な客は店の雰囲気をつくっていて、いわば「インフルエンサー」になっている。
これに倣えば、リモートワークで長居をする時は、店の雰囲気に合わせてカッコよく「滞在」すればいいのだ。インテリアに調和する服を着て行く。BGMがスローテンポならば、キーボードの音も控えめに。親子連れが利用するような時間帯は、しかめ面でモニターを見るのも止めにしよう。自己満足かもしれないが、こうした気遣いが、店の雰囲気をよくするはずだし、自分も気持ちよく仕事ができるようになる。
目立たないことが基本
では、利用者同士ではどんなことに気をつければよいだろうか。
長居をする人を気にするのは、同じように長居をしている人だ。前述のとおり、客も店の雰囲気をつくるのだから、長居をする者同士は気まずい空気を作らないようにしたい。
それには、互いに自分の存在を目立たせないようにすることだ。スペースに余裕があるからといって、書類を目いっぱい広げたり、資料本を積み上げたりしないこと。目に止めるつもりはなくても、占有領域を拡げていれば気になるものだ。近所の同じ店を頻繁に利用するなら、再び顔を合わせることもあるだろう。長居をしたいのなら、店の中では目立たないようにするのが暗黙のルールと言えるだろう。
新型コロナウイルスの感染拡大で、半ば強制的にリモートワークは進んだ。それは、私たちの働き方にも大きな影響を与えた。人との接触が少なくなった自粛期間に、私たちは他人との距離感にも、新たな気づきがあったはずだ。
カフェで仕事をしていると、店の従業員を含め、いつも人に見られているという安心感を得ることができる。その包み込むような雰囲気が、やる気を押し上げてくれていたかもしれない。その空間に対して気遣いをしていくのは、ニューノーマルにふさわしい考え方ではないだろうか。
連載:表現力をよくするレシピ
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