17年にはJALがワーケーション制度を導入していたということだから、テレワーク導入が進んでいた先端企業では一般的だったのだろう。
ここ数カ月、オンラインで会議していると「ワーケーションで軽井沢(京都、福岡、宮古島という事例も)にいるんです」という人々に出会った。うらやましい限りだが、コロナで仕事が少なくなっているフリーランスにとって、1週間東京を不在にするのは少々不安だ。
でも家を出て気分を変えたい……と悩んでいたら、啓示(おおげさ)が降りてきた。「いままで泊まったことのない都心のラグジュアリーホテルへ泊まってみよう」と。
「マンダリン オリエンタル 東京」は、2005年東京・日本橋に開業。広東料理の「センス」や夜景が素晴らしいフレンチファインダイニング「シグネチャー」などレストランには何度も行ったが、宿泊はしたことがなかった。
東京で暮らしている既婚者が、都心の、それもラグジュアリーホテルに宿泊するきっかけはなかなか掴めないものだが、Go Toトラベルキャンペーンが適用されるのでかなりお得な価格となっていた。いまがチャンス!
はしゃいだ気持ちでチェックインしたゲストルームは、仕事の捗りそうなデスクを備え付け、大きく開いた窓から隣の日本銀行の屋根を見下ろすゲストルーム。途端に残額が減りつつある我が銀行通帳を思い出し、あくまでワーケーションに来たのだと平常心を取り戻した。この1泊2日で打ち合わせ3件(オンライン2、リアル1)を入れているが、合間に原稿2本は仕上げておきたいところ。
さっそくPCを開いたが、自宅にない大きなテレビをつけてみたり、バスルームのアメニティ(ボッテガ・ヴェネタだった)をチェックしたりと落ち着かない。
そこで思い切って、客室の外に出てみた。今回私が申し込んだプラン「プレミアム モーメント」では、午後4時から7時までの間の90分に限り、スパークリングワインとカクテルを含むドリンクサービスが付いているのだ。つまりはフリーフロー。仕事に来たんだから飲んじゃダメなのに。
眺望のすばらしさでも知られている「マンダリン オリエンタル 東京」。これは客室からのビュー