「先日、男性向けスーツブランドが開発したジェンダーインクルーシブなスーツのクリエイティブ制作を担当しました。撮影した写真をクライアントに見せると、『自分たちのスーツがこんな見え方をするなんて目から鱗だ』と仰ってくださって。REINGにクリエイティブを任せたことで、自分たちの視点が変わったと言ってもらえたのは、とても嬉しかったです」
Fabric Tokyo x REING (提供写真)
企業との協業で広げたい「REING×〇〇」
最近は若手ビジネスパーソンからの相談もあるという。特に多いのが、「社内に仲間がいないのでREINGと一緒にプロジェクトを進めたい」という悩みだ。アボが言う。
「先日は新卒2年目の方が、『ジェンダーバイアスを解消するプロジェクトを社内で推進したくても賛同者がいない。どうすれば協力してもらえますか?』と相談してくれました。新しいチャレンジをしたい人が社内の理解を得るために、どんなアプローチが有効なのかを一緒に考えることもあります」
プロデューサー兼エディターのユリ・アボ
企業からは、炎上対策に関する問い合わせも増えている。REINGはそうした相談にも親身に対応している。
「炎上を回避するためには、そもそも何を一番伝えたいのか、という意思が大切だと思っています。人の偏見って無意識に出てしまうので、本来であれば組織の中にいろんな視点を持つ人がいるのが望ましいですが、それが難しい場合は、私たちと組むことで多様な視点を社内に持ち込むことができます」
最後に、大谷はこう呼びかけた。
「本当に伝えたいことは、その表現で伝わるのか。モノやクリエイティブを通じて、誰にどう寄り添いたいのか。多様性やジェンダーについて、表面的な話で終わらないように、一緒に考えられるパートナーとしてコラボレーションしていけたらと思っています。さまざまなパートナーと協業して、『REING×〇〇』の取り組みを続けていきたいです。REINGに来たら何かできるかも、と思って声をかけてくれたら嬉しいです」
企業やブランド側の意識を変えることで、男女二元論的な社会の風潮を変えていく。REINGの挑戦はまだ始まったばかりだ。
REINGのクリエイティブは、人々の価値観を豊かにする可能性を秘めている