つまり、僅差だった場合には、ペンシルベニア州の最終的な投票結果は、最高裁の判断に影響を受けることになるとも考えられる。
同州は最高裁が結果を覆す可能性がある判断を示した場合に備え、投票日後に到着した投票用紙をほかの用紙と分けて保管。無効となる可能性がある郵便投票を明確に把握できるようにしている。これは、トランプが「すべての郵便投票が無効だ」と主張し始めることを予見しての対応だ。
同州のジョシュ・シャピロ司法長官は10月29日、米紙ワシントン・ポストに対し、州内で郵便投票を行ったのは多くが民主党の支持者であり、トランプが郵便投票の結果について、「法廷で異議を申し立てることを予想している」と述べている。
トランプは同州の「不正」を批判
トランプと共和党は激戦州のなかでも最も緊張感が高まっていたペンシルベニア州について、郵便投票の締め切り日から期日前投票の回収箱、投票立会人、郵便投票そのものまで、あらゆることに異議を申し立ててきた。
選挙活動中には郵便投票の締め切り日について、「われわれの国にとっての災い」と批判。フィラデルフィアが回収した郵便投票を保管するために設置した衛星投票ステーションに立会人を配置しなかったことについては、それらが「正式な投票所ではないためだ」として、「不正が行われている」と主張していた。
フロリダ大学の米選挙プロジェクト(U.S. Elections Project)によると、今回の選挙で郵便投票を申請した同州の有権者は309万8947人。そのうち投票日までに、250万6557票が回収された。同州のキャシー・ブックバー州務長官によれば、大方の開票作業が終了するのは6日になる見通しだ。