──このアプリを開発した経緯を教えてください。
もともと、このアプリを制作した会社、FACTORYの社長と知り合いで、彼と飲んでいるときに、知り合いの方の親子喧嘩の話を聞いたんです。
早くしなさい、お手伝いしなさい、というのは疲れるという知人のために、だったら、お手伝いアプリを作ったらいいじゃないと言ったのが始まりです。社長が「ちょっと作ってみた」というので、そこから本格的に僕も合流しました。
──ピグっちを開発した目的や、使うことによって生まれる効果にはどのような狙いがあるのでしょうか。
まず、学校でお金について学ぶ機会というのは少ないんです。世界的にみても、日本は諸外国と比べて「お金教育」で遅れがみられます。
お父さんやお母さんのなかには、「なぜ貯金は必要なの?」「なんで借金すると利子がつくの?」と質問されて困ってしまう人もいるんです。
ピグっちでは、お手伝いという労働の対価として報酬を得て、貯金し、運用するという体験ができます。お金の価値やローンの仕組みを学ぶことができるんです。1000円をローンで借りたら、1000円より多い金額を返さないといけない。この当たり前を子供のうちに知ることで、安易に貸金業者から借りることもなくなるのではないかなと。
それに、家庭の会話を増やしたいという目的もあります。子供たちには、「ご飯を自分で炊けるようになったから、やることリストに追加してほしい」と交渉してほしいんです。お手伝いは基本的に、親から子供へ「これやって」という命令であることが多い。でも、大人になったら、仕事はとりにいかなくちゃいけないですからね。
また、今タイミングとしても、コロナ禍において、在宅時間が増えた子どもたちに、パパママに追い立てられるのではなく、自ら進んでお手伝いをすることで労働対価を得る体験ができるということもメリットではないでしょうか。
──機能が豊富だから、いろんな使い方ができそうですね。
保護者用の「おとなのページ」からは、口座の金額を増減させることができるので、おじいちゃんやおばあちゃんから貰ったお小遣いを追加することもできますし、口座のお金を現金として引き出し、お小遣いとしてあげることもできます。
2000ポイント貯まったら、家族で焼肉チケット発行というのもできるわけです。実際にはお父さんやお母さんが払うわけですが、子供に対して「今日は連れてきてくれてありがとう」と言えば、子供も良い気がするじゃないですか。その一言でみんなが気持ちよく動けるなら、やる価値は十分あるんじゃないかと。
それに、以前、フジテレビの『ノンストップ』に出演したときにピグっちを紹介したら、バナナマンの設楽さんが「これは大人にも使えるんじゃない?」と言っていて。お小遣い制のお父さんが使ったら、プラスアルファをとりにいけるじゃないかと盛り上がりました。お父さんがローンを組んだらおもしろいですよね。