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2020.11.01

いまこそ好機 アフリカ大陸、クリエイティブ業界の挑戦

ナイジェリア人デザイナー、ブブ・オギシ(Bubu Ogisi)によるブランド、アイァムイシゴ(IAMISIGO)のラゴスのショールーム(筆者撮影)


今年5月、フェイスブックと世界各地の通信会社7社(チャイナ・モバイル、MTNグローバル・コネクト、オランジュ、ボーダフォン、テレコム・エジプト、STC、WIOCC)の高速インターネット回線敷設プロジェクト「2Africa」が発表された。

2Africaは、全長37万kmの海底ケーブルによって、アフリカ16カ国の21箇所、そして欧州、中東を含む計23カ国をつなぐ計画で、2023〜24年の開通を目指している。一方、今年の7月にはアルファベット社傘下のルーン(Loon)が気球を活用したインターネットサービスの商業展開を開始した。

インターネット・ソサイエティの最新の報告によると、調査対象となったナイジェリアやケニアのインターネット接続の状況は、大きく改善している。

2012年ではローカル接続比率が30%だったが現在は70%にまで拡大。ケニアにおける、プリペードのデータ料金は、500メガバイトにつき5.92ドル(約620円)から2.92ドル(約300円)、ナイジェリアでは12.75ドル(約1300円)から3.37(約360円)ドルまで下がった。2Africaなどのインフラプロジェクトの展開により、今後こうした傾向がさらに加速するはずだ。

第4次産業革命という文脈、アジアとの競争力という面では、アフリカの今後の産業化、経済成長、グローバル経済における優位性をもたらすのは、製造業よりもサービス業となる可能性が高い。クリエイティブ業界へのさらなる投資と、デジタルコンテンツ市場の拡大は、搾取型の低賃金労働ではなく、アフリカの若者が自らの才能を活かし、尊厳を持って働けるような新しい雇用の創出に繋がるのではないだろうか。

連載:旅から読み解く「グローバルビジネスの矛盾と闘争」
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文=MAKI NAKATA

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