こうした状況にある今、南オーストラリア州が今月12日に州全体の電力需要すべてを初めてソーラーエネルギーでまかなうことができたというニュースを聞いても、驚くべきではない。今後は多くの地域がより頻繁かつ長期にわたり電力の完全ソーラー化を達成するだろう。
ソーラーパネルの効率が上がり、コストが下がっていることで、太陽光発電は代替電力源として理に適った存在になりつつある。太陽光発電技術は日々進化しており、大幅な効率向上を実現するペロブスカイト太陽電池など、今後の応用が期待できる技術もまだ存在する。
現在では、ソーラーパネルはインドの運河の上やドイツのアウトバーンの上、米国の学校の屋上など、どんな場所にも設置できるようになっている。テクノロジーの経済変数がこのように変化すると、太陽光と風力による広大な電力送電網の設置は理に適った代替手段となり、それを受け入れない人々は効率が悪く環境を汚染するエネルギー源の使用に追いやられることになる。
太陽光と風力は、環境のためというよりも、経済面において現在の技術であり、未来の技術だ。英政府は、ソーラーエネルギーと風力エネルギーのコストが当初の想定よりも30〜50%低かったことを認め、2020年第1四半期には再生可能エネルギーが全国の電力需要の47%以上をまかなえたことを明かにした。ドイツも似た状況にあり、今年1〜7月に消費された電力の42%が太陽光と風力によるものだった。
エネルギーと経済の脱炭素化は、理論的に考えて、今後進むべき唯一の道だ。太陽光・風力発電と蓄電技術の組み合わせは既に、一国のエネルギー供給で最も効率のよい方法となっている。また、ソーラーエネルギーで充電されたバッテリーで動く電気自動車は、内燃エンジン車を置き換える理に適った選択となっている。
代替エネルギーは補助金がないと成り立たないという考えや、曇りの日や風が吹いていない時に電力供給が問題となるといった考えは誤りであり、もはや時代遅れの考え方だ。時代の流れに乗り遅れずに行動しよう。それが個人のためであり、全ての人のためでもある。