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Data journalist covering technological, societal and media topics

Gary Miller/Getty Images

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連してメディアに流布する誤情報や虚偽、陰謀論を調査する研究をコーネル大学のチームが手がけた。ニューヨーク・タイムズが報じたこの研究では、2020年1月1日~5月26日に世界各国で発表された英語の記事3800万件を分析した。このうち、誤情報や、誤情報についての言及を含む記事は110万件で、新型コロナウイルス関連記事全体の3%弱を占めていた。

注目すべきは、「誤情報や、誤情報についての言及を含む記事」のうち約38%近くがドナルド・トランプ米大統領に言及しており、大統領が新型コロナウイルス関連のインフォデミック(不確かな情報の拡散)の最大の発生源になっていると見られる点だ。

「誤情報や、誤情報についての言及を含む記事」は、いくつかのカテゴリーに分類される。このうち、「誤情報/陰謀論」が全体の46%を占めた。

「誤情報/陰謀論」は全部で11種類が確認された。例えば、新型コロナウイルスは中国・武漢市の研究所で開発された生物兵器だとする説や、「ディープステート(影の政府)」や「新世界秩序」への言及、あるいは、新型コロナウイルス感染症は意図的な人口抑制策だとするものが含まれる。そのほかビル・ゲイツをパンデミックに結びつける陰謀論も確認され、4月に入ると、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長をめぐる虚偽情報が出回り始めた。陰謀論者は、ファウチ所長が死亡者数を誇張し、製薬業界と癒着していると非難している。

しかし、抜きんでて最も拡散されている誤情報/陰謀論は「特効薬」に関するもので、特効薬をめぐって複数種類の誤情報が流布している。なかでも注目すべきは、新型コロナウイルス感染症の治療に効果があることを示す査読済みデータが存在しないにもかかわらず、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンとクロロキンが新型コロナウイルス感染症の治療薬になるとトランプ大統領が主張したことだ。

同様に、紫外線や消毒剤が新型コロナウイルス感染症の治療に使えるかもしれないとトランプ大統領が発言した際には、「特効薬」関連の誤情報に分類される記事の数が、それまでの1万件からたった1日で3万件を超えた。研究チームは、トランプ大統領が虚偽情報増加の直接の原因になったとしている。

メディアに流布する割合が最も高い、新型コロナウイルス関連の誤情報/陰謀論*


*2020年1月1日~5月26日の期間中に発表された「誤情報や、誤情報についての言及を含む記事」110万件。このうち、全体の46%が「誤情報/陰謀論」 。

編集=ガリレオ

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