米調査会社デイリー・コスとCiviqsが先ごろ共同で実施した世論調査によれば、共和党支持者の3人に1人(33%)が、「エリート層とディープステート(闇の政府)」を巡るQアノンの主張を「ほぼ真実だと思う」と回答。23%が、「一部は真実だろう」と答えた。
Qアノンの支持者は、ドナルド・トランプ米大統領は「悪魔を崇拝する小児性愛者たちの陰謀から地球を守っている」と主張する。その小児性愛者とは、大半がハリウッド俳優やリベラルな政治家、ディープステートの当局者たちだという。さらに、Qアノンはこうした人たちが、「児童買春を目的とした秘密の人身売買組織を運営している」と言い広めている。
トランプはQアノンについて8月下旬、「彼らは国を愛する人たち」だと主張。「彼らは私のことが大好きなんだ。感謝しているよ」と述べた。
民主党支持者のうち、Qアノンの陰謀論がたとえ一部でも真実だと考えている人は、わずか4%だった。72%は、「まったく真実ではない」と答えている。調査は8月29~9月1日に実施。米国の成人1368人から回答を得た。
「Qアノン」とその影響力は─
Qアノンは、政府の最高機密にアクセスする権限、「Qクリアランス」を持つ人物だという「Q」が2017年10月、掲示板「4chan」に陰謀論の投稿を始めたことで知られるようになった(「アノン」は匿名という意味のアノニマスの略)。
Qは当初から、「911真相究明運動」やジョン・F・ケネディ大統領の暗殺事件など、すでにあったいくつもの陰謀論についても語っている。
トランプは8月、Qアノンの陰謀説をツイッターに投稿し、内容を広めようとしていた連邦議会選挙の候補者4人をリツイート。それぞれのフォロワーをおよそ数十万人ずつ増やすことを助けた。