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2020.10.01 08:30

国内外で続々導入 エアラインによる「コロナ保険」の注意点


旅行保険や通常の医療保険で備える


エアラインによる「コロナ保険」の今後の広がりは期待するものの、いま旅行時の感染に備えるなら、まず候補となるのは「海外旅行保険(海外旅行傷害保険)」や「国内旅行保険(国内旅行傷害保険)」だと思っている。

まず、海外旅行保険では、新型コロナウイルス感染症に対して、どのような対応をしているか見てみよう。

以前は、「治療費用」に関する補償は、責任期間(旅行を目的として自宅を出発してから自宅到着するまで)の終了後72時間以内に治療を開始した場合を補償対象とするのが一般的だった。

しかし最近では、新型コロナウイルスのように潜伏期間が長い感染症にも対応する商品改定に踏み切る保険会社が相次いでおり、責任期間終了後30日以内に治療を開始すれば補償対象となるプランが主流となっている。

また、海外旅行保険に「旅行変更費用」「旅行キャンセル費用」などの特約を付ければ、渡航先の新型コロナウイルスの蔓延状況を理由に、旅行を中止したり、途中で帰国したりしても、補償を受けられる可能性がある。

外務省の渡航中止勧告・退避勧告が発令されて帰国した場合も、補償対象となるのが一般的だ(出入国規制や渡航中止勧告などが発令されておらず、自己判断でキャンセルしたケースは補償対象とならない)。

次に、国内旅行保険についてはどうか。「国内旅行傷害保険」という正式名称のとおり、新型コロナウイルス感染症はケガではないので、基本的には補償対象外だ。海外旅行保険では対象になるが、国内旅行保険では補償対象とならない点は要注意だ。

前述のANAトラベラーズや日通旅行などの旅行パッケージでは、国内旅行傷害保険ではあるものの、新型コロナウイルス感染症の一時金特約が付帯された特別なプランであることを留意しておきたい。

そのため、国内旅行での感染が心配なら、通常の医療保険でカバーするのが現実的かもしれない。医療保険は新型コロナウイルスに感染して入院した際などに給付金が受け取れる仕組みだが、ホテルでの療養や自宅療養の際にも入院したものと同じと見なして、給付金が受け取れるように各社で改定を進めている。加入先の保険会社はどうか、ホームページなどで確認しておくと安心だ。

また、1日でも入院すればまとまった金額が受け取れるタイプの医療保険(コロナ特化型保険など)への関心も急速に高まっている。感染後に快復しても、すぐには職場に復帰できないため、収入減に不安がある人に人気があるようだ。

もしものときには貯蓄で対応したいところだが、コロナ禍で蓄えが徐々に減るなか、貯蓄でまかなえない部分を補う位置づけで保険を利用するのであれば、このタイプの医療保険を視野に入れておくのも一策だ。

連載:ニュースから見る“保険”の風
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文・図=竹下さくら

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