国内外で続々導入 エアラインによる「コロナ保険」の注意点

Mongkol Chuewong / Getty Images


日本からの入国を緩和した国が増えてきてはいるものの、14日の自己待機をはじめとする日本帰国後の厳しい入国措置のために、事実上、日本の人たちは海外旅行には行けない状況にある。しかし、エアラインの「コロナ保険」付帯の動きが加速することは、これからの大きな安心につながりそうだ。

日本では国内旅行パックに組み込む形で


エアラインによる「コロナ保険」は、日本国内でも広がりを見せている。先日、ANA系の国内宿泊プランに組み入れられることが発表された。

対象となるのは、ANAトラベラーズのWEBサイトで、航空券と宿泊予約を組み合わせた国内旅行プラン「ANAトラベラーズダイナミックパッケージ」のすべての購入者。旅行出発日は2020年10月1日から12月31日までだ。

旅行中の医療相談デスクと、新型コロナウイルス感染症を発病した場合の補償を組み合わせた国内旅行傷害保険「コロナお守りパック」を、旅行プランに組み込むという。

なお、同様のプランでは、日通旅行のGo To トラベル キャンペーン対象商品「コロナお守りパック」が自動付帯されている。新型コロナウィルス感染症一時金特約の保険金額は、3万円だ。

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ANAサービスホームページもとに筆者が作成

国内の「コロナ保険」の場合、海外のエアラインと比べると、その補償内容はやや物足りないと感じられるかもしれない。

しかし考えてみれば、日本では、PCR検査や抗原検査、抗原定量検査などが順次健康保険適用となっており、感染の有無に関わらず、検査費用の自己負担はゼロで受けることが可能だ。入院した場合の費用も同様、指定感染症に定められたため、通常自己負担する必要はない。つまり、そこまで「コロナ保険」でカバーする必要がないわけだ。

会社員等の場合には、業務外の事由による病気・ケガの療養のために連続して3日以上仕事を休んだ場合、健康保険から傷病手当金が支給されるが、新型コロナウイルスに感染して仕事を休んだ際も、傷病手当金の対象となる(ただし、自覚症状がなく、感染した家族の濃厚接触者扱いで休暇を取得した場合や、勤務先に感染者が出て事業所全体が休業となった場合は対象とならない)。

これらを加味すれば、エアラインが提供する「コロナ保険」の補償額は、必ずしも高額である必要はないのかもしれない。
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文・図=竹下さくら

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