Close RECOMMEND

I cover major developments in the retail industry.

Photo by David Ryder/Getty Images

米アマゾンの食料品宅配サービスの成長が加速している。調査会社Mサイエンスの最新調査によると、生鮮食品を扱う「Amazonフレッシュ」の売上高は6月に前年同月比332%増、7月に305%増を記録した。有料の「プライム」会員を対象とした食料品宅配の売上高も6月と7月にいずれも27%増え、高級食品スーパー「ホールフーズ」のオンライン部門も7月に3月比で85%急伸している。

これらの数字は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響でネット通販の利用が急拡大したことを反映しているが、全体像ははっきりしないところがある。それでも、アマゾンの全体の売り上げが現時点できわめて好調だということはうかがえる。それには、アマゾンがこれまで短時間配送に力を入れてきたことが功を奏している面もあるだろう。

半面、アマゾンの場合も実店舗は苦戦している。Mサイエンスによると、ホールフーズの実店舗部門は4〜6月期(第2四半期)の売上高が8.2%減少し、7〜9月期(第3四半期)は19.3%減と落ち込み幅がさらに拡大する見通しとなっている。

Mサイエンスの予想では、アマゾンの7〜9月期の北米総売上高は571億ドル(約6兆500億円)と、コンセンサス予想の561億ドルをやや上回る見込みだ。このとおりなら前年同期比では33.8%増だが、4〜6月期の43.4%増からは伸びが鈍化することになる。

アマゾンは、消費者の支出に対する自社のシェアを指す「顧客内シェア(ウォレットシェア)」も高めている。Mサイエンスによると、昨年6月の顧客内シェアはアマゾンが34.6%、米ウォルマートが28.3%、米コストコが12.6%だったのに対して、今年6月時点ではアマゾンが41.6%、ウォルマートが22.9%、コストコが10.5%となっている。パンデミック中にアマゾンが競合他社を引き離しつつあるのは明らかだ。

電子商取引分野には、アマゾンの最大のライバルであるウォルマートも莫大な投資をしているが、アマゾンの優位性は動いていないようだ。ただ、ウォルマートも宅配代行の米インスタカートと提携するなど、食料品宅配分野で認知度をさらに高める努力をしているように思える。実際、ウォルマートの5〜7月期(第2四半期)のオンライン売上高は97%増えている。

編集=江戸伸禎

PICK UP

あなたにおすすめ