たしかにアマゾンは短時間配送サービスで目覚ましい成果を収めているものの、ウォルマートはアマゾンの一段の成長に挑戦するのに良い位置につけているのではないか。ウォルマートは近くアマゾンの「プライム」に対抗する有料制サービスも始める予定で、多くのロイヤルカスタマーを引き寄せ、喜ばせるに違いない。
ウォルマートは最近、米マイクロソフトと組んで動画共有アプリ「TikTok」の米国事業を買収する提案もした。TikTokは、若年層にリーチする電子商取引のプラットフォームでもある。ウォルマートはまさにそうした若年層の客を必要としており、もし買収にこぎ着けることができれば、絶好の時期に絶好のパートナーを得るかたちになる。
現時点でアマゾンは、必要なもの、欲しいものがある時に誰もがまず当てにする企業になっている。一方でほかの小売各社も対応能力を高め、以前より早く出荷できるようになっており、今後、アマゾンの優位を少しずつ崩していく可能性もありそうだ。
ウォルマートの配送は信頼性が高く、コストコも短時間配送を強化している。また、米スーパーマーケット大手のクローガーやアルバートソンズもオンライン売上高が急増している。当面、ネット通販の活況は続くとみられるが、アマゾンはそう遠くない将来に消費者の審判を受けることになるかもしれない。