ライフスタイル

2020.09.03 08:00

商店街に希望? 新型コロナで「半径500mのつながり」が再評価

新型コロナの影響で商店街のようなコミュニティが再評価されている(Unsplash)



大型スーパーより地元の知り合いのお店に行くという選択をする人が増加する可能性も(Shutterstock)
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太刀川:おもしろいですね。かつての日本には活発な商店街がたくさんありましたが、そこでの買い物は八百屋さんとかお肉屋さんとの人付き合いを兼ねていたところがあります。そういう意味で、商店街の価値の再評価が起こるかもしれません。

逆にいえば、イオンなど郊外の大型スーパーはこれから厳しくなるかもしれないですね。商店街のようなかたちで顔がわかる人同士の繋がりが濃くなっていけば、大型スーパーより地元の知り合いのお店に行くという選択をする人が増えていくことになりますから。

泉山:高度経済成長期以降は、個人商店が次々と閉店に追いやられてしまいましたが、それが少しずつ復活する感じでしょうか。地元に根付いた存在という点からみれば、コンビニのこれからを考えてみるのも面白いかもしれません。コンビニもひとつひとつの店舗として見れば、地元客と密接な関係をもっていますから。「半径500mくらいのコミュニティ」が重要視される場合、コンビニのような存在がどのように変化していくのかについても、興味深いです。
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太刀川:引越しなどで住む場所を決めるときも、これまでは街を選ぶ理由の一つとして、大きなターミナル駅があるということなどが重要視されてきましたが、これからは「あの商店街があるから」といったような近隣ベースの理由に重きが置かれるようになったら面白いですね。

泉山:駅からちょっと遠くても、商店街の面白さを重視する人は増えるかもしれませんね。イメージとしては三軒茶屋などの魅力に近いかもしれません。今だと土地の価格ってだいたい駅からの距離で決まっていますが、これからは「半径500mくらいのコミュニティ」の魅力が影響して、街の価値・地価が変わっていくかもしれません。

今回は、ソーシャルディスタンスがこれからの街づくりに与えていくであろう影響や、ウィズコロナの時代に予想されるコミュニティ観の変化についての対談をお送りした。次回の対談では「新型コロナで変化する東京と地方都市の関係」についてお届けする。

連載:パンデミックから命をまもるために
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文=加藤朋子

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