ビジネス

2020.08.30 11:30

「ネットフリックス化」するレストラン 会員制が新トレンドに?

コーヒーや紅茶が飲み放題になる会員制度を開始した、ファストフードチェーンのパネラ・ブレッド(Photo by Bruce Bennett/Getty Images)

コーヒーや紅茶が飲み放題になる会員制度を開始した、ファストフードチェーンのパネラ・ブレッド(Photo by Bruce Bennett/Getty Images)

テナント料が上昇し、利益が減る中、レストランやカフェ、バーが追求しているのは、同じ顧客に何度も何度もリピートしてもらうことだ。会員制モデルを導入すれば、定期的な収入源を増やして売り上げを増加させ、顧客忠誠度を上げることでリピート率を向上させることができる。

会員制のレストランはコロナ前から増加


一部のレストランでは新型コロナウイルスの流行前から、「ソーホーハウス」などの会員制クラブと同じモデルを既に導入していた。ソーホーハウスでは、年間3000ドル(約32万円)を支払うことで世界中にある複数のクラブのどこでもサービスを利用できる。

こうしたレストランやカフェ、バーでは毎月定額の会員費を支払うことで、飲食物の割引を受けることができる。例えば、カリフォルニア州でコールドプレスジュースを販売するプレスド・ジューサリー(Pressed Juicery)では、月10ドルを支払えば、ドリンクの価格が6.5ドルから5ドルに割り引かれる。

米ケーブルニュースのフォックス・ビジネスは今年1月、懐に余裕がある人をターゲットとした高級ディナーやイベントの会員サービスが人気を得ていると報じていた。

ニューヨーク・マンハッタンにあるナイトクラブ、オマーズ・ラボワット(Omar’s La Boite)は、1500ドル(約16万円)でマルチコースディナーやカクテルパーティーを利用できる権利を販売。サンフランシスコの社交クラブ、ザ・バッテリー(The Battery)は、2400ドル(約25万円)でディナーやカクテルパーティー、ネットワーキング(人脈作り)イベントに参加したり、施設内のジムやスパを利用したりできる権利を販売していた。

事業存続の鍵は会員専用サービスに?


新型コロナウイルスの流行を受け、人々は遠出を控え、ステイケーション(自宅や近場で余暇を過ごすこと)をするようになっている。米国人の大半は、少なくとも2021年までは海外旅行を控えたいと考えている。

食習慣についても同じことが言える。今後は誰もが家の近くで食事をするようになり、安全でウイルス対策のルールが守られていて、食事がおいしい店がそのメリットを享受するだろう。
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編集=遠藤宗生

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